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130万円の壁が「少しだけ」動いた ― 残業代を含めず判定へ。家計と働き方にどんな影響があるのか ―

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2026.04.29

2026年4月から、いわゆる「130万円の壁」の判定方法が見直されました。
これまでと大きく違うのは、

**残業代などの臨時収入を含めずに年収判定ができるようになった**

という点です。

一見すると小さな変更に見えますが、
家計・働き方・社会保険料負担にとっては、
非常に実務的なインパクトがあります。

今回は、
・何が変わったのか
・どんな人が対象になるのか
・今すぐ確認すべきポイント

を、できるだけ現場目線で整理します。

## 1.まず結論:「残業しても、すぐに壁を超えない」仕組みに変わった

これまでのルールはシンプルでした。

**残業代を含めた年収が130万円以上 → 扶養から外れる**

そのため、

・繁忙期に残業が増えた
・人手不足でシフトが増えた

こうした事情で、

**意図せず扶養を外れてしまう**

というケースが多くありました。

そこで今回、

次のようにルールが変わりました。

### 新しい判定ルール(2026年4月以降)

**労働契約上の年収が130万円未満ならOK**

ここがポイントです。

つまり、

・契約上:120万円
・実際:残業で135万円

この場合でも、

**扶養に入れる可能性がある**

ということです。

## 2.ただし「すべての人」が対象ではない

ここは非常に重要です。

今回の制度は、
**限定的な改善**
です。

対象になるには、次の条件をすべて満たす必要があります。

### 条件①:収入が「給与のみ」

例えば、

・パート収入のみ → 対象
・パート+副業 → 対象外
・パート+年金 → 対象外
・パート+事業収入 → 対象外

ここは要注意です。

最近は副業が増えていますので、
ここで対象外になるケースが増えています。

### 条件②:労働契約上の年収が130万円未満

判断基準は、

**給与明細ではなく
労働条件通知書**

です。

具体的には、

・時給
・労働時間
・勤務日数

ここから計算した年収です。

### 条件③:固定残業代は「含まれる」

ここは誤解が多いポイントです。

今回、除外されるのは

**臨時の残業代**

だけです。

例えば、

・固定残業代
・みなし残業代

これは従来どおり

**年収に含めて判定**

します。

## 3.実は重要:「過去に扶養に入れなかった人」もチャンスがある

今回の改正で、見落とされがちですが、
非常に実務的に重要なのがここです。

もし、

2026年3月までに

・残業が多かった
・年収が130万円を少し超えた

この理由で

**扶養認定を受けられなかった**

場合でも、

2026年4月以降なら、

**再申請で扶養に入れる可能性**

があります。

必要なのは、

**被扶養者(異動)届**

です。

これは、

「制度が変わったから再判定してください」

という手続です。

## 4.家計への影響はどれくらい大きいか

ここは現実的な話です。

もし扶養を外れると、

年間で発生する社会保険料は、

おおよそ

**20万円〜30万円**

になるケースが多いです。

つまり今回の制度は、

単なる制度改正ではなく、

**家計防衛の制度**

とも言えます。

特に、

・パート
・アルバイト
・短時間勤務

の方にとっては、

非常に大きな意味があります。

## 5.社会保険料が気になる人が「今すぐ」確認すべき5項目

ここが実務です。

### ① 労働条件通知書の年収はいくらか

まずはここです。

判断基準は、

**実際の収入ではなく契約内容**

です。

### ② 固定残業代が含まれていないか

もし含まれている場合は、

従来どおり

**年収にカウント**

されます。

### ③ 副業や他の収入がないか

例えば、

・フリマ販売
・業務委託
・年金

ここがあると、

今回の特例は使えません。

### ④ 会社の規模(従業員数)を確認する

次の条件を満たす場合、

そもそも扶養に入れない可能性があります。

・従業員51人以上
・週20時間以上
・月額賃金88,000円以上

これは「106万円の壁」と呼ばれる別の制度です。

### ⑤ すでに扶養から外れていないか

もし、

・2025年〜2026年初めに外れた
・残業が原因だった

この場合、

**再申請できる可能性**

があります。

## まとめ
今回の見直しは、

「130万円の壁がなくなった」

わけではありません。

しかし、

**働いた分だけ損をする**

という状況は、
確実に改善されています。

そして本質は、

制度ではなく、

**情報と判断**

です。

・どの制度が適用されるのか
・どのラインが自分に関係するのか
・どこまで働くのが最適か

ここを理解しているかどうかで、
家計は大きく変わります。

制度は少しずつ動いています。
大切なのは、
それに合わせて「働き方」と「家計設計」を調整していくことです。