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相続時精算課税を選んでも安心できない? 見落としやすい「生前贈与加算」の落とし穴

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2026.06.10

2024年から相続時精算課税制度が大きく改正され、年間110万円の基礎控除が新設されたことで、この制度を活用する方が増えています。

しかし、制度が使いやすくなった一方で、相続税の計算において誤解されやすいポイントも増えています。

今回は大阪国税局が公表した「誤りやすい事例」をもとに、相続時精算課税を選択した後に見落としやすい「生前贈与加算」の考え方について解説します。

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事例の概要
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今回の事例は次のようなケースです。

父・甲から子・乙への贈与

【令和4年】
父から現金1,000万円を贈与

・暦年課税を選択
・贈与税申告済み

【令和6年】
父から現金110万円を贈与

・相続時精算課税を選択
・相続時精算課税選択届出書を提出

【令和7年】
父が死亡

なお、子は父から相続財産を取得していません。

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よくある誤解
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このケースで、

「令和6年の110万円は基礎控除以内だから相続税への加算はない」

という理解までは正しいのですが、

「では令和4年の1,000万円も加算しなくてよい」

と考えてしまう方が少なくありません。

実際に税務調査や申告チェックでも見受けられる誤りの一つです。

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正しい取扱い
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結論からいうと、

令和4年に受けた1,000万円の贈与は相続税の課税価格に加算しなければなりません。

なぜなら、

「相続時精算課税による加算」

「生前贈与加算」

は別のルールだからです。

今回のケースでは、

・令和6年の110万円
→ 相続時精算課税の基礎控除内のため加算なし

一方で、

・令和4年の1,000万円
→ 暦年課税による贈与

であり、相続開始前の加算対象期間内に行われた贈与であるため、生前贈与加算の対象となります。

その結果、相続税の課税価格へ加算する必要があります。

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なぜ間違えやすいのか
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2024年改正以降、

「年間110万円までは非課税」

というイメージだけが独り歩きし、

相続時精算課税と暦年課税のルールが混同されるケースが増えています。

しかし実務上は、

①どの年の贈与か

②どの課税方式か

③相続開始前の何年以内か

④誰からの贈与か

を個別に判定しなければなりません。

単純に

「110万円以内だから大丈夫」

「相続時精算課税を選んだから加算されない」

という判断は危険です。

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相続人が注意したいポイント
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相続税申告の際は、被相続人から受けた過去の贈与を一覧化して確認することが重要です。

特に次のようなケースは注意が必要です。

□ 暦年課税と相続時精算課税が混在している

□ 数年前にまとまった資金贈与を受けている

□ 贈与税申告は済ませているため安心している

□ 相続財産を取得していないため関係ないと思っている

これらは実際に誤りが発生しやすいポイントです。

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税理士として感じること
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近年、相続時精算課税制度は非常に活用しやすくなりました。

一方で制度が複雑化したため、

「贈与税の申告は正しくしたのに、相続税の計算で誤りが生じる」

ケースも増えています。

相続税は亡くなった時点の財産だけを見る税金ではありません。

過去の贈与履歴まで含めて確認する必要があります。

特に相続時精算課税を選択している場合は、制度ごとの加算ルールを正しく整理しておくことが大切です。

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まとめ
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相続時精算課税の110万円基礎控除があるからといって、過去の暦年贈与まで相続税の対象外になるわけではありません。

今回の事例のように、

「相続時精算課税の贈与は加算なし」

であっても、

「過去の暦年課税による贈与は加算対象」

となる場合があります。

相続税の申告では、生前贈与の履歴確認が非常に重要です。

制度改正後は特に判断が複雑になっていますので、不安がある場合は税理士などの専門家へ早めに相談することをおすすめします。