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「擁壁のある土地」は売れにくい? 相続した実家の売却で“最初に確認すべき3つのポイント”

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2026.04.28

相続した実家を解体して土地を売却しようとしたところ、
不動産会社から「擁壁(ようへき)の図面はありますか?」と聞かれて戸惑う――。

実はこのやり取り、相続した不動産の売却現場では非常によくある場面です。
特に高台や傾斜地の土地は、「擁壁の状態」や「法的適合性」が売却価格や売れやすさに直結します。

今回は、**相続人の方が知っておくべき実務ポイント**を、税務・不動産・相続の視点から整理してお伝えします。

## そもそも「擁壁」とは何か

擁壁とは、
**土地の高低差によって土砂が崩れないように支える壁**のことです。
いわば「土地の安全を守る基礎インフラ」です。

特に次のような土地では、ほぼ必ず存在します。

・高台にある住宅地
・ひな壇状の分譲地
・隣地との高低差が大きい土地
・造成された宅地

擁壁は見た目以上に重要で、
**豪雨・地震時の安全性や建築可否に直結する設備**でもあります。

## 相続した土地の売却で「図面はありますか?」と聞かれる理由

これは非常に実務的な質問です。
不動産会社や買主が確認したいのは、次の2点です。

### ① 法律に適合しているか(違法ではないか)

特に重要なのはこのラインです。

**高さ2mを超える擁壁**

この場合、

・建築確認申請
・構造計算
・安全基準適合

が必要になるケースがあります。

つまり、

**図面がない=安全性が確認できない**

という判断になりやすいのです。

## 実務上いちばん影響が大きいのは「売却価格」

ここが相続人の方にとって最大の関心点だと思います。

擁壁の状態によって、土地の評価は次のように変わります。

### ■問題がない場合

・通常価格で売却可能
・住宅建築もスムーズ
・融資も通りやすい

### ■問題がある場合

・数百万円〜1,000万円以上の減額
・「現金購入のみ」になる
・買主が限定される

ここが現場感覚として非常に重要なところです。

## 税務上も見逃せないポイント

相続人の方にとって、実はここも大切です。

### ■擁壁補修費は「取得費」に加算できる可能性

例えば、

・補強工事
・改修工事
・安全対策工事

これらは一定の場合、

**譲渡所得の計算上の取得費**

として認められることがあります。

つまり、

**税金を減らせる可能性がある**

ということです。

逆に言えば、

**記録や領収書を残していないと損をする**

可能性があります。

ここは税理士として強くお伝えしたい実務ポイントです。

## まず相続人が確認しておきたい「3つのチェック」

専門家に依頼する前に、最低限ここだけ確認しておくと安心です。

### ① 図面・確認申請書は残っているか

探す場所の例:

・建築確認書類ファイル
・法務局
・市役所
・施工会社

なくても大丈夫ですが、
**あるだけで売却が圧倒的に有利**になります。

### ② 目視での簡易チェック

次のような症状があれば要注意です。

・ひび割れ
・傾き
・水がしみ出ている
・水抜き穴が詰まっている
・苔が多い

これは「危険」という意味ではなく、

**専門家に一度見てもらうサイン**

です。

### ③ 売却前に「専門家の診断」が必要か判断する

特に次の場合は、早めの相談をおすすめします。

・高さ2m以上
・古い石積み擁壁
・図面がない
・空き家期間が長い

この段階で動くと、

**売却トラブルをほぼ回避できます。**

## 相続人の方への実務アドバイス(ここが本質)

私はこれまでの現場経験から、次の順番を強くおすすめしています。

### Step1
不動産会社に査定依頼

### Step2
擁壁の状況を確認

### Step3
必要なら専門家診断

### Step4
売却方針を決定

この順番が最も合理的です。

いきなり工事や解体をすると、
**無駄な費用が発生することが本当に多い**のです。

## まとめ
擁壁のある土地は「不利」ではありません

むしろ、

・見晴らしがよい
・浸水しにくい
・プライバシーが保たれる

といった価値があります。

大切なのは、

**正しく理解し、正しく準備すること**

です。

相続した不動産の売却は、
「不動産」
「法律」
「税金」
が同時に関係するテーマです。

だからこそ、

**早めに専門家と連携することが最大の節税であり、最大のリスク対策**

になります。

必要な方に届けば幸いです。