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新築住宅の固定資産税は「ずっと安い」わけではない ― 減額措置の仕組みと、資金計画で必ず押さえたいポイント ―

スタッフブログ

2026.04.27

住宅を取得された方からよくいただくご質問の一つが、
「新築住宅は固定資産税が安くなると聞いたのですが、どれくらいですか?」
というものです。

たしかに、新築住宅や住宅用地には大きな軽減措置があります。
しかし、この制度は**非常にありがたい一方で、“期間限定”であること**が重要なポイントです。

資金計画の現場では、
「数年後に税額が上がって驚いた」
というケースも少なくありません。

今回は、住宅取得された方に向けて、
**固定資産税の減額制度の概要と、家計・資金計画の観点からの留意点**を整理してお伝えします。

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■ 住宅用地は「最大6分の1」まで軽減される
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まず、土地についてです。

住宅が建っている土地(住宅用地)には、
固定資産税の大きな特例があります。

特に重要なのが次の点です。

・住宅用地:課税標準が「3分の1」
・小規模住宅用地(200㎡以下など):課税標準が「6分の1」

つまり、同じ評価額の土地でも、
**住宅が建っているかどうかで税額が大きく変わる**ということです。

ここは実務上、とても重要です。

例えば、

・更地にすると税額が急増する
・賃貸住宅の建替え時に税額が上がる
・相続後に空き家を解体したら税額が上がった

こうしたケースは、すべてこの制度が背景にあります。

住宅は「住む場所」であると同時に、
**税制上は非常に優遇された資産**でもあるのです。

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■ 新築住宅は「固定資産税が半額」になる
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次に、建物についてです。

新築住宅には、次の軽減措置があります。

【原則】
固定資産税:2分の1に減額
期間:3年間

ただし、次の住宅は期間が長くなります。

・3階建以上
・耐火構造住宅(マンションなど)

この場合は、

・5年間
・場合によっては7年間

となります。

ここで重要なのは、
**「半額が続く」のではなく、「一定期間だけ半額」**
という点です。

この制度は非常に有利ですが、
同時に「将来の支出増」が確定している制度でもあります。

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■ 最も重要な注意点
「固定資産税は必ず上がる」前提で考える
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資金計画の現場で、最もお伝えしていることがあります。

それは、

**固定資産税は数年後に確実に上がる**

という前提で設計することです。

例えば、

新築当初:
10万円/年

減額終了後:
20万円/年

このように、
**突然2倍になる**ことは珍しくありません。

特に注意が必要なのは次のタイミングです。

・住宅ローン返済が続いている
・教育費が増えてくる
・収入が変わらない

この時期に支出が増えると、
家計への影響は想像以上に大きくなります。

ここは税務というより、
**キャッシュフロー管理の問題**です。

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■ 実務的アドバイス(住宅取得された方へ)
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私が現場で必ずお伝えしているのは、次の3点です。

① 固定資産税は「将来の満額」で資金計画を作る
② 減額期間中は「貯める期間」と考える
③ 5年後・10年後の家計を見える化する

これはとてもシンプルですが、
非常に効果があります。

住宅取得は「買えたかどうか」ではなく、

**住み続けられるかどうか**

が本質です。

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■ 制度は延長予定だが、「安心材料」ではない
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なお、制度自体は延長予定とされています。

令和8年度税制改正では、

・床面積要件の緩和
・ハザードエリア要件の見直し
・適用期限の5年延長

が予定されています。

しかし、ここで大切なのは、

**制度が続くかどうかではなく、
家計が耐えられるかどうか**

です。

制度は変わります。
金利も変わります。
収入も変わります。

だからこそ、

**「余裕を持った設計」**

が最も重要になります。

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■ まとめ
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新築住宅の固定資産税には、

・住宅用地:最大6分の1
・建物:一定期間2分の1

という大きな軽減措置があります。

一方で、

**減額は必ず終わる**

ここが最大のポイントです。

住宅取得はゴールではなく、
人生設計のスタートです。

制度を正しく理解し、
数字を味方につけ、
安心して住み続けられる家計をつくる。

そのお手伝いが、私たち専門家の役割だと考えています。