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「アパートを相続する前」に確認すべきこと 〜“不動産”ではなく“賃貸事業”を引き継ぐ視点が重要です〜

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2026.05.25

「親のアパートを将来相続する予定です」

不動産オーナーの方から、このようなご相談をいただくことがあります。

ただ、賃貸アパートの相続は、単に土地・建物を引き継ぐ話ではありません。
実際には、“不動産賃貸業”という事業を承継することになります。

そのため、相続税対策だけではなく、
「今後も安定して経営できる物件なのか」
という視点で事前確認をしておくことが非常に重要です。

今回は、不動産オーナーのご家族が、相続開始前に確認しておきたいポイントを整理します。

## 1.建物の状態は「将来の収支」に直結する

まず確認したいのが、建物の維持管理状況です。

特に重要なのは以下の点です。

・大規模修繕の履歴
・外壁・屋上防水・給排水管などの修繕状況
・現在発生している不具合
・検査済証や設計図書の有無

例えば、

「そろそろ外壁修繕が必要」
「給水管更新に数百万円必要」

という状況であれば、相続後のキャッシュフローに大きな影響を与えます。

また、建築確認関係書類が不足していると、
将来の売却や融資で不利になるケースもあります。

“相続税評価”だけでなく、
“今後いくらお金がかかるか”
という視点が欠かせません。

## 2.入居者・契約内容によって収益性は大きく変わる

次に重要なのが、賃貸借契約の内容です。

確認したい主なポイントは、

・家賃滞納の有無
・トラブル履歴
・高齢入居者の割合
・契約形態
(普通借家、定期借家、サブリース等)

特にサブリース契約は、
「家賃保証があるから安心」
と思われがちですが、

・将来的な賃料減額リスク
・契約解除制限
・運営自由度の低下

などの問題を抱えているケースもあります。

また、入居率だけを見ても実態は分かりません。

「問題のある入居者対応に追われている」
「実は慢性的に滞納が多い」

ということもあります。

“数字だけでは見えない運営実態”を把握することが大切です。

## 3.借入金の内容は必ず確認する

アパート経営では、借入金の確認も非常に重要です。

特に、

・借入残高
・金利
・返済期間
・毎月返済額
・団体信用生命保険(団信)の有無

は必ず確認しておきたいポイントです。

相続税では借入金は債務控除になりますが、
実務上は「返済を続けられるか」が重要です。

最近は金利上昇局面でもあり、
将来的な返済負担増加リスクも無視できません。

「相続税が下がるから借入は問題ない」
ではなく、

“相続後も安定経営できるか”

という視点で見る必要があります。

## 4.管理会社によって経営の質が変わる

管理会社との関係も見落とせません。

確認したいのは、

・管理委託契約の内容
・管理料率
・対応品質
・空室対策力
・クレーム対応力

などです。

同じ物件でも、
管理会社次第で入居率や収益性が大きく変わることがあります。

特に親世代では、

「昔から付き合いがあるから」

という理由だけで継続しているケースも少なくありません。

相続後に見直しが必要になることもあります。

## 5.“表面利回り”ではなく“実際の手残り”を見る

最後に重要なのが、実際の収支確認です。

具体的には、

・共用部電気代
・水道代
・固定資産税
・火災保険料
・町内会費
・設備保守費
・インターネット費用

など、継続経費を確認します。

不動産は、
「家賃収入がある=儲かる」
わけではありません。

実際には、

“どれだけ手元にお金が残るか”

が重要です。

特に築年数が古い物件では、
修繕費負担が重くなり、
想定以上に利益が残らないケースもあります。

## まとめ
〜「相続する」ではなく「経営を引き継ぐ」視点を〜

アパート相続では、

・相続税
・名義変更
・遺産分割

だけに意識が向きがちです。

しかし、本当に重要なのは、

「その賃貸事業を将来も継続できるか」

という視点です。

場合によっては、

・収益改善して承継する
・組み換えを検討する
・相続前売却を検討する

という判断が必要になることもあります。

だからこそ、
相続が発生してからではなく、
“相続前”の情報整理が非常に重要です。

不動産オーナーのご家族は、
ぜひ一度、親御さんと「資産」ではなく「経営」の話をしてみてください。

将来の相続トラブル防止にもつながります。