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相続放棄しても財産は受け取れる? ―「相続させる」と「遺贈する」の違いが分ける重要ポイント―

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2026.04.21

「相続放棄をしたけれど、遺言書に自分へ財産を渡すと書いてある」
このようなケースは、実務でも少なくありません。
結論から言えば、**原則は受け取れませんが、例外的に受け取れる場合があります。**
その分かれ道は、遺言書の文言と法的な位置づけにあります。
今回は、相続人の方が知っておくべき実務上の判断ポイントを、できるだけ分かりやすく解説します。

## 1.原則:相続放棄をすると「相続人ではなかった」ことになる

民法939条では、相続放棄をした人は、
**最初から相続人ではなかったものとみなされる**
と定められています。

つまり、

・財産を受け取る権利も
・借金などの債務を引き継ぐ義務も

**すべて無かったことになる**
というのが基本ルールです。

したがって、遺言書に
「Aにこの不動産を相続させる」
と書かれていたとしても、

Aが相続放棄をすれば
→ そもそも相続人ではない
→ 遺言の前提が崩れる
→ その財産は取得できない

という流れになります。

実務上も、このケースが最も一般的です。

## 2.例外:相続放棄しても受け取れる場合がある(=遺贈)

ここが重要なポイントです。

遺言書の内容が
**「相続」ではなく「遺贈」**
と解釈される場合には、

相続放棄をしていても
**財産を受け取ることが可能**
になります。

例えば、次のような表現です。

・「Aにこの財産を遺贈する」
・「Aが相続人でなくても取得させる」

この場合は、

相続人かどうかに関係なく
**受遺者(財産をもらう人)としての権利**
が発生します。

つまり、

相続人としては辞退したが
財産だけは受け取る

ということが制度上は可能になります。

## 3.実務で最も注意すべきポイント
### ―「相続させる」と「遺贈する」は似て非なるもの

この違いは、非常に重要です。

■「相続させる」
→ 相続人であることが前提
→ 相続放棄すると無効になる

■「遺贈する」
→ 相続人でなくても成立
→ 相続放棄しても受け取れる

ここは、
**遺言書の一言で結果が大きく変わる**
典型例です。

相続実務では、

・借金があるから相続放棄したい
・でも不動産や保険金は受け取りたい

という相談は、実際に少なくありません。

しかし、

安易に相続放棄をすると
**本来受け取れたはずの財産まで失う**
こともあります。

## 4.まとめ:判断は「放棄する前」に

今回のポイントはシンプルです。

■原則
相続放棄をすると財産は受け取れない

■例外
遺贈であれば受け取れることがある

そして最も大切なのは、

**相続放棄は取り消せない**

という事実です。

だからこそ、

・遺言書の内容
・負債の有無
・税務への影響

この3つを整理してから判断することが極めて重要です。

相続は、
「感情」と「法律」と「お金」
が同時に動く出来事です。

だからこそ、

早めに状況を整理し、
選択肢を確認しておくことが、
結果としてご家族を守ることにつながります。

専門家として、
その判断材料を分かりやすくお届けすることが、
私たちの役割だと考えています。