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相続した土地はいくらで売れる?「一物四価」を知れば適正価格が見えてくる

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2026.06.26

「固定資産税評価額が1,000万円だから、そのくらいで売れる」は大きな誤解

相続した土地を売却しようと考えたとき、多くの方が最初に疑問に思うのが、

「この土地はいくらで売れるのだろう?」

ということではないでしょうか。

ところが、土地には「一つの価格」しかないと思っていると、思わぬ勘違いをしてしまいます。

実は、不動産には「一物四価(いちぶつよんか)」と呼ばれる4つの価格が存在します。

それぞれ役割が異なるため、「固定資産税評価額」と「実際に売れる価格」は同じではありません。

今回は、相続した土地を売却する際に知っておきたい「一物四価」と、適正な売却価格を把握する方法について分かりやすく解説します。

## 一物四価とは?

同じ土地でも、評価する目的によって価格は変わります。

代表的なのが次の4つです。

### ① 実勢価格(実際に売れる価格)

実勢価格とは、市場で実際に売買される価格です。

売却する際に最も重要なのが、この価格です。

地域の人気や需要、土地の形状、接道状況、売却時期などによって大きく変動します。

### ② 公示地価(国が示す基準価格)

国土交通省が毎年1月1日時点の価格を調査し、3月に公表しています。

土地取引の目安となる価格であり、不動産鑑定や公共用地の取得などにも利用されています。

市場価格に近いものの、実際の売買価格とは必ずしも一致しません。

### ③ 路線価(相続税・贈与税の基準)

相続税や贈与税を計算するときに使われる価格です。

国税庁が毎年7月に公表し、公示地価のおおむね8割程度が目安とされています。

税理士にとって最もなじみ深い価格といえるでしょう。

### ④ 固定資産税評価額(固定資産税の基準)

市区町村が固定資産税を計算するために設定する価格です。

一般的には公示地価のおおむね7割程度とされ、3年ごとに評価替えが行われます。

毎年送られてくる固定資産税課税明細書で確認できます。

## 「一物五価」と呼ばれることもある

実は「公示地価」とは別に、「基準地価」という価格もあります。

基準地価は都道府県が毎年7月1日時点で調査し、9月に公表する価格です。

都市計画区域外も対象となるため、公示地価を補完する役割があります。

この基準地価も含めて、「一物五価」と呼ばれることもあります。

## 売却価格はどうやって決めればいい?

相続人の方が最も知りたいのは、「結局いくらで売れるのか」という点でしょう。

おすすめの手順は次のとおりです。

### Step1 公的価格を確認する

まずは、

・公示地価
・基準地価
・路線価
・固定資産税評価額

を確認しましょう。

これにより、その土地のおおよその価値を把握できます。

### Step2 過去の売買事例を調べる

近隣で似た条件の土地がいくらで売買されたかを調べることで、実勢価格のイメージがつかめます。

### Step3 不動産会社へ査定を依頼する

実際の売却価格は、不動産会社の査定を受けるのが最も現実的です。

不動産会社は「レインズ(REINS)」という業者専用データベースを利用できるため、一般には公開されていない成約事例も参考にしながら査定を行います。

複数社に査定を依頼すると、価格の妥当性も判断しやすくなります。

## 相続税評価額と売却価格は違うことを理解しましょう

相続税申告では「路線価」が基準になります。

しかし、実際に売却するときは「実勢価格」で取引されます。

そのため、

「相続税評価額より高く売れること」

もあれば、

「思ったより安くしか売れないこと」

も珍しくありません。

税金の計算と売却価格は別物であることを理解しておくことが大切です。

## まとめ

相続した土地の価格には、一つではなく複数の「ものさし」があります。

それぞれの役割を理解することで、売却価格の見方が大きく変わります。

・実際に売れる価格は「実勢価格」
・相続税は「路線価」
・固定資産税は「固定資産税評価額」
・公示地価・基準地価は市場価格の目安

相続した土地を売却する際は、公的な価格を参考にしながら、不動産会社の査定も活用して適正価格を把握することが重要です。

また、売却によって譲渡所得税が発生する場合や、相続税との関係で特例が適用できるケースもあります。

「いくらで売れるか」だけでなく、「売った後の税金」まで含めて検討することで、より有利な相続・売却につながります。