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後期高齢者医療保険料は「誰が払うか」で控除が変わる? 老親と同居する家族が知っておきたい社会保険料控除のポイント

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2026.06.15

親御さんと同居しているご家庭では、「後期高齢者医療保険料を子どもが負担している」というケースが少なくありません。

実は、この保険料は納付方法によって、社会保険料控除を受けられる人が変わります。

今回は、後期高齢者医療保険料を年金天引き(特別徴収)から納付書や口座振替(普通徴収)へ変更した場合の税務上のメリットについて、分かりやすく解説します。

## 社会保険料控除とは?

社会保険料控除とは、本人や生計を一にする家族の社会保険料を支払った場合に、その支払額を所得から差し引くことができる制度です。

所得が減ることで、所得税や住民税の負担も軽減されます。

対象となる社会保険料には、

・国民健康保険料
・国民年金保険料
・介護保険料
・後期高齢者医療保険料

などが含まれます。

特に現役世代の所得税率が高い家庭では、社会保険料控除の活用による節税効果が大きくなることがあります。

## 後期高齢者医療保険料の徴収方法は2種類

75歳以上の方が加入する後期高齢者医療制度では、保険料の納付方法として主に次の2つがあります。

### ① 特別徴収(年金天引き)

老齢年金などから自動的に保険料が差し引かれる方法です。

一定額以上の年金を受給している方は、原則としてこの方法になります。

### ② 普通徴収

納付書や口座振替で納付する方法です。

一定の要件を満たし、市区町村へ手続きを行うことで、特別徴収から普通徴収へ変更できる場合があります。

## 控除を受けられる人は「誰が支払ったか」が重要

ここが多くの方が誤解しやすいポイントです。

### 年金から天引きされている場合

保険料を支払った人は、税務上「年金受給者本人」と考えられます。

たとえ同居している子どもが生活費を負担していても、天引きされた保険料については親本人の社会保険料控除となります。

そのため、子どもの所得税や住民税の節税にはつながりません。

### 普通徴収の場合

納付書払いや口座振替で実際に支払った人が、社会保険料控除を受けることができます。

つまり、

・親と生計を一にしている
・子どもが実際に保険料を負担している

という状況であれば、子ども自身の社会保険料控除として申告することが可能です。

## 具体例で考えてみましょう

例えば、

・父(76歳)の後期高齢者医療保険料:年間12万円
・父は年金受給者
・長男と同居
・長男の所得税率:20%
・住民税率:10%

の場合、

年間12万円の社会保険料控除を長男が受けられると、

12万円 × 30% = 約3万6,000円

程度の税負担軽減効果が期待できます。

もちろん実際の税率や所得状況によって異なりますが、毎年継続する効果としては決して小さくありません。

## 手続きの際に注意したいポイント

普通徴収へ変更しただけでは十分ではありません。

税務上は「実際に誰が負担したか」が重要になります。

そのため、

・子どもの口座から口座振替を行う
・子どもが納付書で支払う
・支払い記録を残しておく

といった対応が望ましいでしょう。

また、市区町村によって手続き方法や要件が異なるため、事前に担当窓口へ確認することも大切です。

## 税理士としての視点

相続対策や家計改善のご相談を受ける中で、「社会保険料控除を見落としていた」というケースは意外と多くあります。

特に親世代は所得が比較的少なく、社会保険料控除を受けても税効果が限定的なことがあります。

一方で、現役世代の子どもが保険料を負担し、その分を社会保険料控除として活用できれば、家族全体で見た税負担を軽減できる可能性があります。

もちろん節税だけを目的に考えるのではなく、ご家族の資金管理や生活設計も含めて検討することが重要です。

## まとめ

後期高齢者医療保険料は、徴収方法によって社会保険料控除を受けられる人が変わります。

・年金天引き(特別徴収) → 親本人の控除
・納付書・口座振替(普通徴収) → 実際に支払った人の控除

老親と同居しているご家庭では、保険料の負担者と納付方法を確認することで、家族全体の税負担を適正化できる可能性があります。

「親の医療保険料や介護保険料を負担しているが、控除の扱いがよく分からない」という場合は、一度整理してみることをおすすめします。

制度を正しく理解し、家族全体のキャッシュフロー改善につなげていきましょう。