
相続税申告では「情報共有」が必要になることも
相続税申告では、複数の相続人や受遺者(遺言によって財産を受け取る方)が関わるケースが少なくありません。
そのような場合、
「他の相続人の税理士から財産資料を送ってほしいと言われた」
「受遺者の顧問税理士へ財産情報を提供しても問題ないのだろうか」
といった疑問が生じることがあります。
一見すると、相続税申告のためであれば情報共有は当然のようにも思えます。しかし、税理士には厳格な守秘義務が課されており、安易な情報提供はできません。
今回は、相続税申告における財産情報の共有と守秘義務について解説します。
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## 税理士には厳格な守秘義務がある
税理士は、業務を通じて知り得た秘密を守る義務があります。
これは依頼者との信頼関係を守るための重要なルールです。
守秘義務が解除されるのは、主に次のような場合です。
・本人の同意がある場合
・法律に基づいて開示が義務付けられている場合
これらに該当しない限り、第三者へ情報を提供することは原則として認められません。
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## 相続税申告のためでも勝手に提供はできない
例えば、ある相続人から依頼を受けた税理士が、その依頼者から提供された被相続人の財産資料を、依頼を受けていない受遺者や、その受遺者の顧問税理士へ提供するケースを考えてみましょう。
「相続税申告のためだから問題ない」と思われるかもしれませんが、その財産情報は依頼者から提供を受けた重要な情報です。
そのため、依頼者の承諾なく第三者へ提供することは、守秘義務の観点から適切ではありません。
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## 情報提供には誰の同意が必要?
実務上は、依頼者である法定相続人や受遺者全員から同意を得たうえで情報提供を行うことが望ましいと考えられています。
口頭で済ませるのではなく、
「どの資料を」
「誰に」
「どの目的で提供するのか」
を明確にし、書面やメールなど記録が残る形で同意を得ておくと安心です。
後日のトラブル防止にもつながります。
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## 相続は「法律」だけでなく「信頼関係」も大切
相続手続きでは、財産の内容だけでなく、家族間の感情や信頼関係も大きく影響します。
「申告を早く進めたい」
「税理士同士で情報共有した方が効率的」
という事情があっても、依頼者の同意を得ないまま情報を提供すると、思わぬトラブルに発展する可能性があります。
だからこそ、相続税申告では法律や税務だけでなく、情報管理にも細心の注意が求められます。
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## まとめ
相続税申告で他の税理士へ財産情報を提供する場合でも、守秘義務がなくなるわけではありません。
情報は依頼者から預かった大切なものです。
そのため、
・依頼者の同意を得ること
・情報提供の目的と範囲を明確にすること
・可能であれば書面で同意を残すこと
この3点を意識することで、安心して相続手続きを進めることができます。
相続は一生のうち何度も経験するものではありません。
だからこそ、「これくらいなら大丈夫」と自己判断せず、疑問があれば相続に詳しい税理士へ早めに相談することをおすすめします。
※本記事は2026年7月時点の法令・解釈をもとに作成しています。制度改正や個別事情により判断が異なる場合がありますので、具体的な案件については専門家へご相談ください。