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実家を売る前に知っておきたい「現状有姿」の本当の意味 相続した不動産の売却で後悔しないための契約不適合責任の基礎知識

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2026.07.06

はじめに

相続した実家を売却するとき、「現状有姿で引き渡します」という言葉を耳にしたことはありませんか。

「現状のまま売るということだから、売った後は何があっても責任を負わなくていい」と考えてしまう方も少なくありません。

しかし、これは大きな誤解です。

実は、「現状有姿」と書かれているだけでは、売主の責任がなくなるわけではありません。

今回は、相続した実家を売却する方がぜひ知っておきたい「現状有姿」と「契約不適合責任」の違いについて解説します。

## 「現状有姿」とは何を意味するのか

「現状有姿」とは、文字どおり「今ある状態のまま引き渡す」という意味です。

例えば、

* 壁紙の日焼けや傷
* フローリングの擦れ
* 古くなった給湯器やエアコン
* 庭の雑草
* 建物の経年劣化

といった、買主が見て確認できる状態について、「この状態で購入してください」という約束です。

つまり、「リフォームして引き渡します」という契約ではなく、「今のままお渡しします」という意味になります。

## 「現状有姿」でも責任はなくならない

ここで重要なのが、「現状有姿」と「契約不適合責任」は別の話だということです。

例えば、

* 雨漏り
* シロアリ被害
* 建物の傾き
* 配管の重大な不具合

など、契約内容に適合しない重大な問題が後から見つかった場合、「現状有姿」と書いてあるだけでは売主の責任が免除されるとは限りません。

責任を免除または限定するためには、不動産売買契約書にその内容を明確に記載する必要があります。

## 相続した実家だからこそ注意したいポイント

実家を相続した方の場合、自分が長年住んでいなかったケースも珍しくありません。

そのため、

「詳しい状態は分からない」

という方も多いでしょう。

一方で、以前から家族が知っていた不具合や、自分自身が把握している問題を隠したまま売却すると、後からトラブルになる可能性があります。

例えば、

* 雨漏りを知っていた
* シロアリ駆除をしたことがある
* 床下浸水の履歴がある
* 境界について近隣と話し合いがあった

こうした情報は、買主へ正直に伝えることが大切です。

「知らなかった」ことと、「知っていたのに伝えなかった」ことでは、法律上の扱いが大きく異なります。

## 税理士としてお伝えしたいこと

相続した不動産の売却では、

* 相続税
* 譲渡所得税
* 3,000万円特別控除
* 取得費加算
* 空き家特例

など、税金に目が向きがちです。

もちろん税務は重要ですが、売却契約そのものに問題があると、後から損害賠償など思わぬ負担が発生することもあります。

「税金だけ」「契約だけ」ではなく、不動産会社・司法書士・税理士など、それぞれの専門家と連携しながら進めることが、安心して売却を終える近道です。

## まとめ

「現状有姿」は、「今の状態で引き渡す」という意味であり、「売主の責任がすべてなくなる」という意味ではありません。

相続した実家の売却は、多くの方にとって人生で一度あるかないかの経験です。

だからこそ、

* 契約内容を十分に確認すること
* 知っている不具合は正直に伝えること
* 税金と契約の両面から専門家に相談すること

この3つを意識することで、安心して次の世代への資産承継を進めることができます。

「売った後にこんなはずではなかった」と後悔しないためにも、契約書の一文一文をしっかり確認し、納得したうえで売却を進めていきましょう。