
はじめに
相続した実家を売却するとき、「現状有姿で引き渡します」という言葉を耳にしたことはありませんか。
「現状のまま売るということだから、売った後は何があっても責任を負わなくていい」と考えてしまう方も少なくありません。
しかし、これは大きな誤解です。
実は、「現状有姿」と書かれているだけでは、売主の責任がなくなるわけではありません。
今回は、相続した実家を売却する方がぜひ知っておきたい「現状有姿」と「契約不適合責任」の違いについて解説します。
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## 「現状有姿」とは何を意味するのか
「現状有姿」とは、文字どおり「今ある状態のまま引き渡す」という意味です。
例えば、
* 壁紙の日焼けや傷
* フローリングの擦れ
* 古くなった給湯器やエアコン
* 庭の雑草
* 建物の経年劣化
といった、買主が見て確認できる状態について、「この状態で購入してください」という約束です。
つまり、「リフォームして引き渡します」という契約ではなく、「今のままお渡しします」という意味になります。
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## 「現状有姿」でも責任はなくならない
ここで重要なのが、「現状有姿」と「契約不適合責任」は別の話だということです。
例えば、
* 雨漏り
* シロアリ被害
* 建物の傾き
* 配管の重大な不具合
など、契約内容に適合しない重大な問題が後から見つかった場合、「現状有姿」と書いてあるだけでは売主の責任が免除されるとは限りません。
責任を免除または限定するためには、不動産売買契約書にその内容を明確に記載する必要があります。
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## 相続した実家だからこそ注意したいポイント
実家を相続した方の場合、自分が長年住んでいなかったケースも珍しくありません。
そのため、
「詳しい状態は分からない」
という方も多いでしょう。
一方で、以前から家族が知っていた不具合や、自分自身が把握している問題を隠したまま売却すると、後からトラブルになる可能性があります。
例えば、
* 雨漏りを知っていた
* シロアリ駆除をしたことがある
* 床下浸水の履歴がある
* 境界について近隣と話し合いがあった
こうした情報は、買主へ正直に伝えることが大切です。
「知らなかった」ことと、「知っていたのに伝えなかった」ことでは、法律上の扱いが大きく異なります。
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## 税理士としてお伝えしたいこと
相続した不動産の売却では、
* 相続税
* 譲渡所得税
* 3,000万円特別控除
* 取得費加算
* 空き家特例
など、税金に目が向きがちです。
もちろん税務は重要ですが、売却契約そのものに問題があると、後から損害賠償など思わぬ負担が発生することもあります。
「税金だけ」「契約だけ」ではなく、不動産会社・司法書士・税理士など、それぞれの専門家と連携しながら進めることが、安心して売却を終える近道です。
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## まとめ
「現状有姿」は、「今の状態で引き渡す」という意味であり、「売主の責任がすべてなくなる」という意味ではありません。
相続した実家の売却は、多くの方にとって人生で一度あるかないかの経験です。
だからこそ、
* 契約内容を十分に確認すること
* 知っている不具合は正直に伝えること
* 税金と契約の両面から専門家に相談すること
この3つを意識することで、安心して次の世代への資産承継を進めることができます。
「売った後にこんなはずではなかった」と後悔しないためにも、契約書の一文一文をしっかり確認し、納得したうえで売却を進めていきましょう。