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認定NPO法人への寄附で税金はどう変わる?公務員が知っておきたい所得控除と税額控除

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2026.08.24

はじめに:被災地への寄附には税制上の優遇措置があります

被災地支援を行っている認定NPO法人に寄附をした場合、「寄附した金額について、所得税の負担を軽くできるのだろうか」と気になる方もいるでしょう。

特に公務員の方は、普段は勤務先の年末調整で所得税の手続きが完了することが多いため、寄附をした場合に何をすればよいのか分かりにくいかもしれません。

認定NPO法人に対する一定の寄附については、確定申告をすることで「寄附金控除」または「税額控除」の適用を受けられる場合があります。

今回は、被災地支援を行う認定NPO法人に個人で寄附をしたケースを例に、公務員の方にも分かりやすく制度のポイントを解説します。

1.認定NPO法人への寄附は所得税の控除対象になる

所得税では、一定の「特定寄附金」を支出した場合、寄附金控除という制度を利用できます。

認定NPO法人等が行う特定非営利活動に係る事業に関連する一定の寄附についても、特定寄附金とみなして寄附金控除の対象とする仕組みがあります。

つまり、認定NPO法人だからといってすべての寄附が無条件に対象になるわけではありませんが、一定の要件を満たす寄附であれば、所得税の負担を軽減できる可能性があります。

被災地の支援活動など、自分が応援したい活動に寄附をしながら、税制上の優遇措置も利用できるという制度です。

2.所得控除と税額控除の2つの方法がある

認定NPO法人への寄附で特に知っておきたいのが、「所得控除」と「税額控除」の選択です。

所得税では、一定の要件を満たす場合、

  • 寄附金控除(所得控除)
  • 認定NPO法人等寄附金特別控除(税額控除)

のいずれかを選択できます。

所得控除は、寄附金の一定額を「所得」から差し引く方法です。

一方、税額控除は、一定の算式で計算した金額を「所得税額」から直接差し引く方法です。

同じ寄附でも、どちらを選ぶかによって税負担の軽減額が変わることがあります。

そのため、確定申告をする際には、両方を比較して有利な方を選択することが大切です。

3.寄附金控除は「所得」から差し引く

寄附金控除では、その年中に支出した対象となる寄附金の合計額から2,000円を差し引いた金額が、原則として所得控除の対象になります。

例えば、対象となる寄附を年間50,000円した場合、単純化すると、

50,000円 − 2,000円 = 48,000円

が所得から差し引かれるイメージです。

ただし、寄附金控除には限度額があり、その年の総所得金額等の40%相当額が上限となります。

また、ここで注意したいのは「48,000円の税金が戻ってくる」という意味ではないことです。

48,000円だけ所得が少なくなり、その結果として計算される所得税が少なくなる仕組みです。

4.税額控除は「所得税額」から直接差し引く

一方、税額控除では、一定の算式によって計算した金額を、その年分の所得税額から直接控除します。

基本的な計算イメージは、

(対象となる寄附金額 − 2,000円)× 40%

です。

例えば、対象となる寄附が50,000円であれば、

(50,000円 − 2,000円)× 40%
= 19,200円

となります。

この場合、計算上の税額控除額は19,200円です。

ただし、税額控除にも限度があり、その年分の所得税額の25%相当額が上限となります。

実際の控除額は、他の寄附金や所得税額などによっても変わりますので、上記は制度を理解するための簡単な例として考えてください。

5.公務員でも確定申告が必要になる

公務員の方の場合、通常は勤務先で年末調整を受けているため、「税金の手続きは勤務先に任せておけばよい」と考えがちです。

しかし、認定NPO法人への寄附について寄附金控除や税額控除を受けたい場合、原則として確定申告が必要です。

年末調整の際に勤務先へ寄附の領収書を提出するだけで、これらの控除を受けられるわけではありません。

そのため、寄附をした年には、翌年の確定申告を忘れないようにしましょう。

6.寄附をしたら「受領証」を保管する

確定申告で控除を受けるためには、寄附をしたことを証明する書類が重要です。

寄附金控除を利用する場合は、寄附を受領した認定NPO法人等から、寄附金額や受領年月日などを確認できる受領証・領収書などを用意します。

税額控除を利用する場合も、寄附を受領したことに加え、その寄附が認定NPO法人の主たる目的である業務に関連すること、寄附金額、受領年月日などを証明する書類が必要になります。

寄附をしたら、

「いくら寄附したか」

だけでなく、

「どの団体に、いつ寄附したか」

を証明できる書類をきちんと保管しておくことが大切です。

7.「認定NPO法人ならすべて対象」ではない

ここは誤解しやすいところです。

NPO法人への寄附であれば、どのような寄附でも税制上の優遇を受けられるわけではありません。

今回の制度は、認定NPO法人等に対する一定の寄附が対象です。

さらに、寄附先の法人が行う特定非営利活動に係る事業との関係など、一定の要件を満たす必要があります。

そのため、寄附をする際には、その団体が税制上の対象となる認定NPO法人等であるか、また、受領証などの必要書類が発行されるかを確認しておくと安心です。

8.所得控除と税額控除、どちらを選べばいい?

「税額控除の方が、直接税金から引けるから必ず有利なのでは?」

と思われるかもしれません。

しかし、実際には必ずしもそうとは限りません。

所得控除の場合は、寄附金額を所得から差し引くため、所得税率が高い方ほど所得控除による効果が大きくなる場合があります。

一方、税額控除では、一定の割合で計算した金額を所得税額から直接差し引くことができます。

そのため、所得や他の控除の状況によって、どちらが有利になるかは変わります。

公務員の方でも、年収や扶養家族、住宅ローン控除など、個々の状況によって結果は異なります。

「認定NPO法人への寄附なら税額控除」と決めつけず、両方を比較することが大切です。

9.確定申告の前に確認しておきたいこと

寄附をした後、確定申告の時期になって慌てないために、次の点を確認しておきましょう。

まず、寄附先が認定NPO法人等に該当するかを確認します。

次に、寄附金の受領証など、必要な書類を保管しておきます。

そして、寄附金控除と税額控除のどちらを利用するのが有利なのかを確認します。

公務員の方の場合、普段は確定申告をしていなくても、寄附金控除等を受けるために確定申告が必要になることがあります。

「普段は確定申告をしていないから関係ない」と思わず、寄附をした年は一度確認してみることをおすすめします。

10.寄附は「支援」と「税制」の両面から考える

認定NPO法人への寄附は、被災地支援など、自分が応援したい活動に直接つながるものです。

そのうえで、一定の要件を満たせば、所得税についても寄附金控除または税額控除という制度を利用できます。

大切なのは、税金が安くなることだけを目的に寄附を考えるのではなく、「支援したい活動に寄附をした結果、税制上の優遇措置も受けられる可能性がある」と理解することです。

特に公務員の方は、普段の税務手続きを勤務先の年末調整に任せているケースが多いため、寄附をした年には確定申告が必要になる可能性があることを覚えておきましょう。

また、所得控除と税額控除のどちらが有利かは、個人の所得状況によって異なります。

せっかく寄附をしたのであれば、受領証などの必要書類を大切に保管し、利用できる制度をきちんと確認しておきたいところです。