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アパート20室でも80%減額にならない? 相続税「小規模宅地等の特例」の誤解に注意

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2026.05.19

相続税対策として非常に効果が大きい「小規模宅地等の特例」。

その中でも、賃貸アパートを所有している方が誤解しやすいのが、

「事業的規模なら“特定事業用宅地等”になるのでは?」

という点です。

実際には、アパート経営が所得税上の“事業的規模”に該当していても、相続税では80%減額の対象にならないケースがあります。

今回は、大阪国税局の「誤りやすい事例」をもとに、相続人の方が特に注意したいポイントを整理します。

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■ 「小規模宅地等の特例」とは?
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小規模宅地等の特例とは、一定の土地について相続税評価額を大幅に減額できる制度です。

代表的なものとして、

・特定居住用宅地等
・特定事業用宅地等
・貸付事業用宅地等

があります。

この制度は、相続税対策の中でも非常にインパクトが大きく、適用可否で税額が大きく変わることがあります。

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■ 今回の“誤りやすいポイント”
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今回の事例では、

「20室ある賃貸アパート」

がテーマです。

20室以上あると、所得税では一般的に「事業的規模」と判断されます。

そのため、

「事業なんだから、特定事業用宅地等では?」

と考えてしまいがちです。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。

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■ アパート経営は“特定事業用宅地等”ではない
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結論から言うと、

アパート経営は、原則として
「貸付事業用宅地等」
に該当します。

つまり、

【誤】
特定事業用宅地等
→ 400㎡まで80%減額

ではなく、

【正】
貸付事業用宅地等
→ 200㎡まで50%減額

となります。

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■ なぜ“事業的規模”でも80%減額にならないのか?
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ここが非常に誤解されやすい点です。

相続税の「特定事業用宅地等」における“事業”には、

・不動産貸付業
・駐車場業
・自転車駐車場業

などが除外されているためです。

つまり、

所得税では「事業」
でも、

相続税では「貸付事業」

として別枠扱いになるのです。

ここを混同すると、減額割合を誤り、大きな申告ミスにつながる可能性があります。

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■ 実際には税額差がかなり大きい
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例えば、評価額1億円の土地なら、

【80%減額】
→ 評価額2,000万円

【50%減額】
→ 評価額5,000万円

となり、課税対象額に大きな差が生じます。

相続税率によっては、
数百万円〜数千万円単位で納税額が変わるケースもあります。

だからこそ、
「事業的規模=80%減額」
と短絡的に判断するのは危険です。

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■ さらに注意したい「3年以内貸付」のルール
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平成30年税制改正以後、
相続開始前3年以内に新たに貸し付けた宅地については、原則として「貸付事業用宅地等」の特例対象外となりました。

これは、

「亡くなる直前にアパートを建てて節税する」

といった対策を防ぐためです。

ただし例外があります。

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■ “事業的規模”なら救済されるケースも
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相続開始前3年以内の貸付であっても、

被相続人が3年以上にわたり
「事業的規模」で貸付事業を行っていた場合

には、一定条件のもとで特例適用が認められるケースがあります。

つまり、

・以前から継続して不動産賃貸業を営んでいた
・相続直前だけ始めたわけではない

という実態が重要になります。

ここは非常に細かい判定が必要なため、自己判断は危険です。

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■ 相続人が本当に気を付けるべきこと
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相続税は、

「不動産がある=節税になる」

ほど単純ではありません。

特に賃貸不動産は、

・所得税
・法人税
・相続税
・民法
・借地借家法
・金融機関評価

など、多面的に考える必要があります。

今回のように、

“所得税では事業”
でも、
“相続税では貸付事業”

という制度差もあります。

そのため、
ネット情報や一部の知識だけで判断すると、思わぬ税務リスクにつながることがあります。

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■ まとめ
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今回のポイントを整理すると、

・20室以上でも自動的に80%減額にはならない
・アパート経営は原則「貸付事業用宅地等」
・適用は200㎡まで50%減額
・「特定事業用宅地等」とは別制度
・3年以内貸付には追加制限あり

という点が重要です。

小規模宅地等の特例は、
相続税対策の“最重要制度”の一つですが、

その分、
誤解や思い込みも非常に多い制度です。

だからこそ、
「自分の場合はどうなるのか」
を早めに専門家と整理しておくことが、結果として最も大きな節税につながります。