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子育て世帯が知っておきたい「iDeCo」~「教育費を軽くする」意外な活用法

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2026.04.06

「iDeCoは老後のための制度」
そう思って、まだ先の話だと感じていませんか?

実は、子育て世帯にとってiDeCoは、老後資金づくりだけでなく、**今かかっている教育費を軽くする可能性がある制度**でもあります。
特に保育料や大学の支援制度は、「所得」や「住民税」が基準になるため、税制優遇のある制度をどう使うかで家計への影響が変わってきます。

今回は、税理士・FPの視点から、iDeCoが教育費にどう関係するのか、そして子育て世帯が現実的にどう活用すればよいのかを整理してお伝えします。

見出し1:
iDeCoは「老後の制度」だけではないという視点

iDeCoの最大の特徴は、掛け金が全額所得控除になることです。
つまり、積み立てた分だけ「課税される所得」が減り、結果として所得税や住民税が軽減されます。

例えば、毎月2万円を積み立てると、

・年間掛け金:24万円
・税金の軽減:約4.8万円(所得税率10%の場合)

これが30年間続けば、

**約144万円の税金軽減**

になります。

ここまでは「老後資金づくり」の話ですが、子育て世帯にとって本当に注目したいのは、その先です。

**住民税が下がることで、教育費そのものが下がる可能性がある**

ここが、実務上とても重要なポイントです。

見出し2:
保育料は「年収」ではなく「住民税」で決まる

多くの方が誤解しやすいのですが、保育料は単純に年収で決まっているわけではありません。

正確には、

**住民税の所得割額**

で決まります。

つまり、

・iDeCoで所得控除が増える
・住民税が下がる
・保育料の区分が下がる

という流れが起きる可能性があります。

実際の例として、

・共働き夫婦(年収400万円+300万円)
・2歳児を保育園に預けている
・大阪市の場合

では、

保育料
45,100円 → 39,400円

となり、

**年間約6.8万円の負担軽減**

という結果になるケースもあります。

ここで大切なのは、

**投資で増やす前に、「支出を減らす」効果がある**

という点です。

これは、家計管理の現場では非常に大きな意味を持ちます。

見出し3:
大学の学費支援にも影響する可能性がある

もう一つ見落とされがちなのが、大学などの学費支援制度です。

現在の「高等教育の修学支援新制度」は、

・授業料の減免
・給付型奨学金

などが用意されていますが、これも判定基準は「所得」です。

ここで重要なのは、

**年収ではなく「所得」で判断される**

という点です。

そのため、

・iDeCoで所得控除が増える
・課税所得が下がる
・支援対象に入る可能性が広がる

ということが現実に起こり得ます。

もちろん、これだけで大きく区分が変わるとは限りません。
しかし、境目にいる世帯にとっては、制度の活用が結果を左右することもあります。

見出し4:
子育て世帯がiDeCoを使うときの現実的な注意点

一方で、iDeCoには明確な制約があります。

**60歳まで引き出せない**

これは最大の特徴であり、最大の注意点でもあります。

そのため、実務では次の順番を強くおすすめしています。

① 生活費の予備資金(6か月分程度)
② 教育費の近い支出(5〜10年以内)
③ そのうえでiDeCo

この順序を守ることが、家計を安定させる基本です。

また、iDeCoは掛け金を年1回変更できます。

例えば、

・保育料が高い時期
・大学進学前
・所得が増えた年

には掛け金を増やし、

・育休中
・収入が減った時期
・教育費がピークの時期

には無理のない水準に下げる。

こうした「調整できる制度」として使うことが、長く続けるコツです。

見出し5:
2027年からは掛け金上限が大きく広がる

制度面でも、大きな変化が予定されています。

2027年1月から、

企業年金のない会社員の場合

月23,000円 → 月62,000円

まで拡大されます。

これは単なる制度変更ではありません。

**節税効果を活用できる幅が大きく広がる**

という意味があります。

特に、

・共働き世帯
・所得が比較的高い世帯
・保育料や教育費の負担が重い世帯

にとっては、家計改善の選択肢が増える改正といえるでしょう。

まとめ:
iDeCoは「老後のための制度」であることは間違いありません。
しかし、子育て世帯にとっては、それだけではありません。

・税金が減る
・保育料が下がる可能性がある
・教育支援制度の対象に近づくことがある
・老後資金も同時に準備できる

まさに、

**教育費と老後資金を同時に整えるための制度**

といえます。

とはいえ、すべての家庭に向いているわけではありません。

・近い将来に使う予定のお金
・収入が不安定な時期
・貯蓄がまだ十分でない段階

では、NISAなど別の制度のほうが適していることもあります。

制度選びで大切なのは、

「正解を探すこと」ではなく
**「わが家に合う順番を考えること」**

です。

子育てとお金は、どちらも長い道のりです。
焦らず、しかし着実に。
制度を味方につけながら、家計の安心を一緒に育てていきましょう。