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贈与契約書は毎回作成すべきですか?

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2026.01.13

贈与契約書は毎回作成すべき?相続・税務トラブルを防ぐための正しい考え方

「家族間の贈与だから契約書はいらないのでは?」「毎年少額を贈与しているけど、書面までは作っていない」――このような疑問を持つ方は非常に多くいらっしゃいます。特に親子間や夫婦間の贈与では、信頼関係がある分、手続きを簡略化しがちです。しかし、贈与契約書を作成しないことが、後々思わぬ税務・相続トラブルにつながるケースも少なくありません。この記事では、「贈与契約書は毎回作成すべきか?」という疑問について、法律・実務の両面からわかりやすく解説します。

結論:原則として贈与の都度、契約書を作成すべき
結論から言うと、贈与契約書は原則として「毎回」作成することが望ましいです。特に、同じ相手に複数回贈与を行う場合や、相続税対策として計画的に贈与を行っている場合には、都度契約書を残しておくことが重要です。理由は、贈与が「あったこと」を第三者に対して客観的に証明できる唯一の有力な証拠が、書面による契約だからです。

解説:なぜ毎回作成した方がよいのか
法律上、贈与契約は口頭でも成立します。つまり、契約書がなくても贈与自体は有効です。しかし、税務の世界では話が別です。税務署は「本当に贈与だったのか」「実態は名義預金ではないか」といった点を厳しく確認します。
例えば、毎年110万円以下の基礎控除内で贈与しているつもりでも、契約書がなく、贈与の都度の意思確認ができない場合、「定期贈与」と判断される可能性があります。定期贈与と認定されると、初年度に将来分をまとめて贈与したとみなされ、多額の贈与税が課されることがあります。
このリスクを避けるためにも、「その年ごとに」「その金額を」「贈与する意思があった」ことを示す贈与契約書を毎回作成することが重要なのです。

よくある誤解:一度作ればずっと使える?
よくある誤解の一つが、「最初の年に贈与契約書を作っておけば、翌年以降は不要」という考え方です。しかし、贈与は原則として一回一回が独立した契約です。
毎年金額や時期が異なるにもかかわらず、同一の契約書を使い回したり、そもそも書面を作らなかったりすると、「毎年の贈与の合意」があったとは認められにくくなります。結果として、税務調査で不利な判断を受ける可能性が高まります。

実務での注意点:形式だけでなく中身も重要
贈与契約書は作ればよい、というものではありません。実務上は次の点に注意が必要です。
まず、贈与者と受贈者の署名・押印があること。次に、贈与日、贈与財産の内容(金額・振込先など)が明確に記載されていることです。また、実際のお金の流れも重要で、贈与者から受贈者名義の口座へ振り込むなど、「管理・処分の権限が受贈者に移っている」ことが分かる形にする必要があります。
契約書だけ整っていても、実態が伴っていなければ否認される点には注意が必要です。

専門家による支援内容:行政書士ができるサポート
贈与契約書は一見シンプルに見えますが、将来の相続や税務調査を見据えた内容にするには専門的な視点が欠かせません。行政書士であれば、贈与の目的や家族構成を踏まえた契約書の作成、毎年の贈与スケジュールに合わせた書面整備のサポートが可能です。
また、税理士と連携することで、贈与税・相続税を含めた総合的なアドバイスを受けられる点も大きなメリットです。

まとめ
贈与契約書は、法律上は必須ではないものの、実務上・税務上は「毎回作成することが強く推奨される書類」です。特に、相続対策として継続的に贈与を行う場合には、契約書の有無が将来の安心を大きく左右します。
「うちは大丈夫だろう」と自己判断せず、早い段階で専門家に相談し、正しい形で贈与を進めることが、家族と財産を守る近道と言えるでしょう。