
国税庁が進める「預貯金等情報のオンライン照会」が急速に広がっています。今や照会件数は年間800万件を超え、保険や証券口座にも拡大中。この記事では、相続人の立場で知っておきたいポイントを分かりやすく解説します。
■ オンライン照会って何?
従来、税務調査などで使われていた「金融機関への預金照会」。これは主に書面で行われ、1~2週間かかるのが当たり前でした。しかし令和3年以降、これがオンラインでできるようになり、わずか数日で情報を取得できるようになったのです。
この仕組みは税務調査や滞納整理に使われるもので、対象者の口座の有無、残高、入出金履歴などが照会されます。
■ 急拡大するオンライン照会
スタート時(令和3年度末)は37行のみだった対応金融機関が、令和6年度末には431行に。メガバンク、地銀、信用金庫、ネット銀行まで含めると、日本の金融機関の7割以上が対応済みです。
生命保険(6社)や証券会社(2社)でも照会可能になり、件数は令和3年度の28万件から、令和6年度には835万件にまで増えています。
■ 相続人としてどう関わる?
相続税の申告や調査で、亡くなった方の預貯金・保険・証券の情報を税務署がオンラインで把握できる時代になりました。つまり、「申告しなければバレない」という時代は完全に終わっています。
正しく財産を洗い出し、適切に申告することが、結果的に相続人自身の安心や争族予防につながるのです。
■ これからどうなる?
今後はクレジットカード会社や○○ペイなど、資金移動が関わる業者にも対象が広がる予定です。デジタル化によって、亡くなった方の「見えない資産」が見える時代へと進んでいます。
■ まとめ:プロのサポートで「見逃し」なく
相続手続きにおいては、専門家のサポートを受けながら、全体像をしっかり把握することが重要です。財産の見落としは、後々のトラブルや追徴課税の原因にもなりかねません。ぜひ、信頼できる税理士に早めに相談を。
クレメンティア税理士事務所では、相続手続きや相続税申告を「安心・確実」に進めるお手伝いをしています。気になる方はお気軽にご相談ください。