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生命保険金にも相続税はかかるのですか?

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2025.10.31

生命保険金にも相続税はかかるのですか?非課税枠と課税対象を徹底解説

身内が亡くなった際、遺族が受け取る「生命保険金」。そのお金に相続税がかかるのかどうか、疑問に思う方は非常に多いです。特に「保険金だから税金はかからないのでは?」と誤解している人も少なくありません。この記事では、生命保険金と相続税の関係をわかりやすく整理し、非課税枠や注意点を詳しく解説します。

生命保険金には相続税がかかるのか?

結論から言うと、「生命保険金の一部には相続税がかかります」。ただし、すべての金額が課税されるわけではなく、「一定の非課税枠」が設けられています。

生命保険金は、被相続人(亡くなった方)の死亡により受け取るものであるため、法律上「みなし相続財産」と呼ばれます。これは、実際に遺産として残されたわけではなくても、相続によって取得した財産と同様に扱われ、相続税の課税対象に含まれるという意味です。

生命保険金の非課税枠について

生命保険金には、遺族の生活を守るために「相続税の非課税限度額」が認められています。その計算式は以下のとおりです。

非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数

たとえば、法定相続人が3人(配偶者と子2人)の場合、
500万円 × 3人 = 1,500万円までの保険金が非課税になります。

この非課税枠を超える部分については、他の遺産(預金や不動産など)と合算して相続税の課税対象となります。

なお、非課税枠が適用されるのは「被相続人が保険料を支払っていた生命保険」で、かつ「受取人が法定相続人」である場合です。この条件を満たさないと、非課税枠が使えないケースもあります。

よくある誤解と注意点

よくある誤解として、「生命保険金は税金がかからない」と思い込むケースがあります。しかし、非課税枠を超える部分には確実に相続税がかかります。

また、「誰が保険料を支払っていたか」によって課税の扱いが変わる点も重要です。たとえば、
– 被相続人が保険料を払い、家族が受け取る → 相続税の対象
– 夫が保険料を払い、妻が受取人、夫が生存中に保険金を受け取る → 贈与税の対象
– 会社が保険料を払い、従業員家族が受け取る → 所得税の対象
といったように、契約構造によって課税区分が異なります。

実務での注意点

相続税の申告を行う際には、生命保険金の受取金額や契約者・被保険者・受取人の関係を明確に整理することが必要です。非課税枠の適用可否を誤ると、余分な税金を支払うリスクがあります。

また、複数の保険契約がある場合、それぞれの保険会社から支払われる保険金を合算して非課税枠を計算する点にも注意が必要です。生命保険会社から届く「支払調書」や「死亡保険金の支払明細書」は、申告時の重要な資料になります。

士業によるサポート内容

税理士や行政書士などの専門家に相談することで、保険金の課税判定や非課税枠の適用確認、相続税申告書の作成などをスムーズに進められます。特に、複数の保険契約が絡む場合や、相続人が多い場合は、税務処理が複雑になるため、早めの専門家相談が有効です。

まとめ

生命保険金には原則として相続税がかかりますが、法定相続人一人あたり500万円の非課税枠が設けられているため、実際に課税されないケースも多くあります。ただし、保険契約の形態や支払者・受取人の関係によって税金の種類が変わるため、自己判断は危険です。

不安な場合は、相続税や保険契約に詳しい税理士・行政書士に相談し、適切な申告と節税対策を行いましょう。