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生命保険を活用すると相続税対策になりますか?

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2025.11.13

生命保険を活用すると相続税対策になりますか?

生命保険を使った相続対策は、多くの家庭で関心が高いテーマです。特に「相続税が心配」「預金が多くはないが、子どもに負担をかけたくない」という方がよく疑問に持つポイントです。生命保険は仕組みを理解すると、相続税の節税・納税資金の準備・遺産分割の円滑化など、多方面で役立つ手段になります。

結論:生命保険は相続税対策として有効

生命保険の死亡保険金には「非課税枠」が用意されており、これが相続税対策として大きなメリットになります。相続人が受け取る保険金には「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠が適用され、これにより課税対象の遺産を圧縮できます。また、現金で支払われるため、相続税の納税資金としても有効です。

生命保険が相続税対策になる理由

生命保険が相続で有利とされる主な理由は次の3点です。

1. 死亡保険金の非課税枠
相続税法により、死亡保険金には「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠が認められています。例えば相続人が3人いれば、1,500万円まで非課税となります。

2. 現金で受け取れるため納税資金を確保しやすい
不動産中心の遺産の場合、相続税を現金で支払えず困るケースがあります。生命保険金は保険会社から直接支払われるため、納税資金として活用できます。

3. 受取人を指定できる
生命保険は遺産分割協議の対象外となり、受取人が確実に受け取れます。そのため、特定の家族に必要な資金を事前に用意することができます。

よくある誤解

「生命保険ならすべて非課税になる」という誤解がありますが、非課税となるのはあくまで「500万円 × 法定相続人の数」までです。また、保険金受取人が法定相続人でない場合は非課税枠が使えない点にも注意が必要です。

「契約者・被保険者・受取人」の組み合わせによっては、相続税ではなく贈与税や所得税の対象になるケースもあるため、仕組みを誤解すると逆に税負担が増えることもあります。

実務での注意点

・名義変更の失敗
契約者(保険料負担者)と受取人の設定が適切でないと、想定外の税金が課税される恐れがあります。

・保険金の額が大きいとかえって課税対象が増える
非課税枠を超えた部分は課税対象になるため、加入額のバランスが重要です。

・相続開始直前の加入は注意
税務署は“駆け込み加入”に厳しく、節税目的と判断されると調査の対象になることもあります。

士業としてできるサポート

行政書士や税理士などの専門家は、次のような形でサポートできます。
– 遺産全体を踏まえた生命保険活用プランの設計
– 名義設定(契約者・被保険者・受取人)の最適化
– 相続税シミュレーション
– 遺言書との整合性チェック
– 相続税申告・各種手続きの代行

まとめ

生命保険は、相続税対策として非常に役立つツールですが、契約形態を誤ると逆効果になる場合もあります。相続全体を見ながら適切に設計することが重要です。相続税が気になる方、生命保険の活用方法を知りたい方は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。