
生命保険は「もしも」の備えですが、家族状況が変わると“受取人を誰にするか”も見直しどきです。
今回は「夫が契約者・保険料負担者・被保険者」の終身保険で、受取人を配偶者→子ども/孫へ変更したいケースを、一般の方向けにわかりやすく整理します。
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1. 受取人は途中でも変更できる?
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結論:変更できます。
多くの生命保険では、契約加入時だけでなく契約中でも、所定の手続きで受取人変更が可能です。
ポイントは「被保険者(今回なら夫)の同意」が必要になることが多い点です(保険会社の規定に従います)。
そして重要な税金の話。
受取人を変更した“その時点”では、基本的に課税は発生しません。
税金が問題になるのは、実際に死亡保険金が支払われるタイミングです。
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2. 孫(未成年)を受取人にできる?
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結論:未成年でも受取人に指定できます。
ただし、実際に保険金を請求する時点で未成年なら、本人が単独で請求手続きをできません。
その場合は、親権者や未成年後見人が代理で請求する形になります。
実務的には、
・誰が請求手続を担うか(親権者等)
・受け取った保険金の管理方法(使途、管理口座)
まで、家族で話し合っておくと安心です。
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3. 子ども2人など、受取人を複数にできる?
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結論:複数指定できます。
一般的には、受取人ごとに「割合(%)」を指定します。
例:長男50%、長女50% など、合計100%になるように設定します。
ここは揉めやすいポイントなので、
「なぜその割合にしたのか」を家族に説明できる状態にしておくと、相続の場面での不信感を減らせます。
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4. 子ども・孫が受け取る保険金に税金はかかる?
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今回の前提は、
契約者=夫、保険料負担者=夫、被保険者=夫
です。
この形だと、死亡保険金は「みなし相続財産」として、原則“相続税”の対象になります。
(よくある勘違い:「保険金は相続と別だから税金かからない」→税金の対象になるケースが多いです。)
さらに、子どもと孫では取り扱いが変わります。
■子どもが受取人の場合
相続人である子どもが受け取る生命保険金については、
「生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)」が使える可能性があります。
※実際の適用可否や枠の金額は相続関係(法定相続人の人数)で変わります。
■孫が受取人の場合(養子縁組なし・通常は相続人でない)
孫は通常「相続人」ではないため、
生命保険金の非課税枠を使えないのが原則です。
加えて、孫が“相続人でない立場”で財産を取得する形になると、
相続税が「2割加算」の対象になる可能性があります。
(例外として、代襲相続人になる孫など、状況次第で変わります。)
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5. 受取人変更の前に、家族で確認したい3つ
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①「孫に渡したい理由」を言語化する
→ 目的が教育費なのか、生活支援なのかで、やり方が変わります。
② 税金だけでなく“公平感”も見る
→ 子どもから見て「なぜ孫に?」が説明できないと、相続時の火種になります。
③ “現金で渡す”以外の方法も検討する
→ たとえば、まず配偶者や子が受け取り、その後の援助方法を設計する方が、税務・管理面で安定することもあります(ただし贈与の論点が出るため設計が必要)。
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まとめ
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・受取人は加入後でも変更可能(被保険者同意が必要なことが多い)
・受取人変更時には通常課税なし。課税は保険金受取時が基本
・未成年の孫も受取人にできるが、請求手続は親権者等が関与
・夫が「契約者・負担者・被保険者」なら、死亡保険金は相続税の対象
・子どもは非課税枠の対象になりやすいが、孫は対象外になりやすく2割加算の可能性も
生命保険は“渡し方”で税金も家族関係も変わります。
「誰に・何のために・どの順番で渡すか」を一度整理してから、受取人変更に進むのが安全です。