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死亡保険金を兄弟で分けると贈与税?相続前に知っておきたい生命保険の落とし穴

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2026.03.13

「生命保険は相続対策になる」とよく言われますが、受取人の設定や分け方によっては思わぬ税金が発生することがあります。今回は、死亡保険金を他の相続人と分ける場合の税務上の扱いについて、相続を心配されている方に向けて分かりやすく解説します。

■ 生命保険は「遺産」ではなく受取人の財産

生命保険の死亡保険金は、一般的な相続財産とは少し性格が異なります。

保険契約では、契約者があらかじめ「受取人」を指定します。そして、被保険者が亡くなったとき、その受取人が直接保険金を受け取ります。

そのため死亡保険金は、

・遺産分割の対象にならない
・受取人の「固有の財産」となる

という特徴があります。

今回のケースでは

契約者:父
被保険者:父
受取人:子(相談者)100%

となっているため、5,000万円の死亡保険金は「相談者の財産」として受け取ることになります。

■ 相続税では「みなし相続財産」になる

ただし、税務上は少し違う扱いになります。

被相続人(亡くなった方)が保険料を負担していた生命保険の死亡保険金は、「みなし相続財産」として相続税の対象になります。

さらに、相続人が受取人の場合には次の非課税枠が利用できます。

【生命保険の非課税枠】

500万円 × 法定相続人の数

今回のケースでは相続人が2人なので

500万円 × 2人 = 1,000万円

つまり、死亡保険金5,000万円のうち1,000万円は相続税の対象外になります。

■ 受け取ってから兄弟に渡すと「贈与税」

ここで注意が必要なのが、「受け取ったあとに分ける」ケースです。

もし相談者が5,000万円を受け取り、その一部を兄に渡した場合、税務上は

「相談者から兄への贈与」

と扱われます。

つまり、兄には **贈与税** が課税される可能性があります。

贈与税は相続税より税率が高いことが多いため、結果的に税負担が重くなるケースもあります。

「相続だから分けただけ」という感覚でも、税務上は全く別の扱いになる点が重要です。

■ 相続税にする方法(生前にできる対策)

この問題を避ける方法は比較的シンプルです。

お父様がご存命のうちに、死亡保険金の受取人を変更することです。

例えば

相談者:50%
兄:50%

のように設定すれば、それぞれが直接保険金を受け取ることになります。

この場合は

・贈与税ではなく相続税
・生命保険の非課税枠も利用可能

となります。

■ 生命保険は「分け方」で税金が変わる

生命保険は相続対策として非常に有効ですが、次の点を事前に確認しておくことが大切です。

・受取人は誰になっているか
・複数人に分ける必要があるか
・相続財産全体とのバランス

特に「不動産を相続する人の税金対策」として生命保険を使うケースは非常に多くあります。

しかし、今回のように受取人の設定が適切でないと、意図しない贈与税が発生することもあります。

■ まとめ

死亡保険金は、

「受け取る前にどう設計するか」

がとても重要です。

相続が発生してからでは変更できないため、

・受取人の設定
・相続財産とのバランス
・税金の種類(相続税か贈与税か)

を生前のうちに確認しておくことが、円満な相続につながります。

ご家族で話し合いながら、必要に応じて税理士などの専門家に相談しておくと安心でしょう。