
2024年(令和6年)から、相続時精算課税制度に「基礎控除110万円」が新設されました。
この改正によって、暦年贈与と相続時精算課税の併用が現実的な選択肢となりました。
特に、将来の相続を見据えて早めに資産移転を考えている教職員の皆さまにとって、非常にメリットのある内容です。
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■ 3つのケースで違いを比較!
【①両親から各100万円の暦年贈与】
→ 合計200万円は基礎控除(110万円)を超えるため、贈与税が9万円発生
→ 相続が発生すれば、最大7年間遡って贈与した全額が相続財産に加算
【②両親から各100万円の相続時精算課税】
→ 特別控除(2,500万円)の範囲内のため贈与税はゼロ
→ ただし、基礎控除(110万円)を超える90万円が「将来の相続時に加算」される(※年数の上限はありません)
【③父は暦年贈与100万円、母は相続時精算課税100万円】
→ それぞれの基礎控除内に収まるため、贈与税ゼロ&申告不要
→ 母からの贈与は相続時の加算対象外に!(納税上も有利)
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■ ポイントは「戦略的な制度の使い分け」
一度「相続時精算課税」を選ぶと取消できないため、慎重な判断が求められますが、
「基礎控除110万円」が使えるため、小口の贈与でも使いやすくなりました。
贈与者ごとに制度を選べるため、
– 暦年贈与で7年を超えた部分の非課税を狙うか?
– 相続時精算課税で110万円の基礎控除の恩恵を受けるか?
– 両親それぞれで制度を分けるか?
など、柔軟に対応できます。
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■ 「家族構成」「贈与額」「将来の相続財産」の全体設計が大切
税制改正によって、相続対策はますますパーソナルな戦略設計が求められる時代になりました。
「どの制度を誰に使うか」で将来の税額が数十万〜数百万円変わる可能性もあります。
ご自身やご両親の状況に合った制度選択が、これからの賢い生前対策につながります。
制度改正のチャンスを逃さず、ぜひ一度シミュレーションしてみませんか?