「年収の壁」とは何か
年収の壁とは、一定の所得水準を超えると、社会保険料や税金の負担により手取り額が減少する現象を指します。このため、年収の壁を超えることに躊躇し、収入の上昇が鈍化することがあります。年収の壁は、社会保険や所得税や住民税の仕組みによって引き起こされる現象であり、所得の上昇による税金等負担の増加を考慮しなければならない重要な要素です。今回は、厚生労働省が公開した「年収の壁」への対応策(年収の壁・支援強化パッケージ)について記載します。
このパッケージは、短時間労働者が「年収の壁」を意識せず働くことができる環境づくりを支援するためのもので、以下のような対策が含まれています。
・年収130万円を超えても連続2年までなら扶養にとどまれるようにする。
・賃上げや保険料の相当額を手当として支給し、労働者の厚生年金への適用を促した企業に1人あたり3年で最大50万円を助成する。
このパッケージは、短時間労働者が「年収の壁」を意識せず働くことができる環境づくりを支援するためのもので、以下のような対策が含まれています。
・年収130万円を超えても連続2年までなら扶養にとどまれるようにする。
・賃上げや保険料の相当額を手当として支給し、労働者の厚生年金への適用を促した企業に1人あたり3年で最大50万円を助成する。
106万円の壁への対応
●キャリアアップ助成金のコースの新設
キャリアアップ助成金を拡充し、短時間労働者が新たに被用者保険の適用となる際に、労働者の収入を増加させる取組を行った事業主に対して、複数年(最大3年)で計画的に取り組むケースを含め、一定期間助成(労働者1人当たり最大50万円)を行うこととする。
助成対象となる労働者の収入を増加させる取組には、賃上げや所定労働時間の延長のほか、被用者保険の保険料負担に伴う労働者の手取り収入の減少分に相当する手当(社会保険適用促進手当)の支給も含めることとする。また、支給申請に当たって、提出書類の簡素化など事務負担を軽減する。
●社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外
被用者保険が適用されていなかった労働者が新たに適用となった場合に、事業主は、当該労働者に対し、給与・賞与とは別に「社会保険適用促進手当」を支給することができることとする。
社会保険適用促進手当については、被用者保険適用に伴う労働者本人負担分の保険料相当額を上限として、最大2年間、当該労働者の標準報酬月額・標準賞与額の算定に考慮しないこととする。
キャリアアップ助成金を拡充し、短時間労働者が新たに被用者保険の適用となる際に、労働者の収入を増加させる取組を行った事業主に対して、複数年(最大3年)で計画的に取り組むケースを含め、一定期間助成(労働者1人当たり最大50万円)を行うこととする。
助成対象となる労働者の収入を増加させる取組には、賃上げや所定労働時間の延長のほか、被用者保険の保険料負担に伴う労働者の手取り収入の減少分に相当する手当(社会保険適用促進手当)の支給も含めることとする。また、支給申請に当たって、提出書類の簡素化など事務負担を軽減する。
●社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外
被用者保険が適用されていなかった労働者が新たに適用となった場合に、事業主は、当該労働者に対し、給与・賞与とは別に「社会保険適用促進手当」を支給することができることとする。
社会保険適用促進手当については、被用者保険適用に伴う労働者本人負担分の保険料相当額を上限として、最大2年間、当該労働者の標準報酬月額・標準賞与額の算定に考慮しないこととする。
130万円の壁への対応
●事業主の証明による被扶養者認定の円滑化
被扶養者認定においては、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書等を確認することとしているところ、一時的な収入の増加がある場合には、これらに加えて、人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入変動である旨の事業主の証明を添付することで、迅速な認定を可能とする。
被扶養者認定においては、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書等を確認することとしているところ、一時的な収入の増加がある場合には、これらに加えて、人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入変動である旨の事業主の証明を添付することで、迅速な認定を可能とする。
配偶者手当への対応
企業の配偶者手当の見直し促進
令和6年春の賃金見直しに向けた労使の話合いの中で配偶者手当の見直しも議論され、中小企業においても配偶者手当の見直しが進むよう、見直しの手順をフローチャートで示す等わかりやすい資料を作成・公表する。
各地域で開催するセミナーで説明するとともに、中小企業団体等を通じて周知する。
令和6年春の賃金見直しに向けた労使の話合いの中で配偶者手当の見直しも議論され、中小企業においても配偶者手当の見直しが進むよう、見直しの手順をフローチャートで示す等わかりやすい資料を作成・公表する。
各地域で開催するセミナーで説明するとともに、中小企業団体等を通じて周知する。