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学生の子がスキマバイトを始めたら…扶養控除に影響は?教職員の親が押さえるべき税務のポイント

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2025.10.06

「うちの子、最近スキマバイトを始めたらしくて…」
忙しい日々の中でも、そんな話題が気になる教職員の方も多いのではないでしょうか。
学生の子どもが短時間・単発で働く「スキマバイト」は増えていますが、所得の扱いによっては**親の扶養控除に影響**する可能性もあります。

### スキマバイトでも「源泉徴収票」は発行される

最近主流となっているスキマバイト(1日や数時間単位の単発アルバイト)ですが、働き手であるお子さんが給与を受け取った場合、**たとえ短期であっても源泉徴収票(本人交付用)は必ず発行されます。**

企業が税務署に提出しないケース(年50万円以下など)はありますが、**本人(お子さん)への交付は免除されません。**
そして、この源泉徴収票が、年間の給与収入を把握するための重要な書類になります。

### 親として、教職員として知っておくべき対応ポイント

✔ **バイト収入の合計を早めに確認**
スキマバイトは複数の企業で働くケースが多いため、年末にまとめて金額を確認しようとすると漏れが生じやすいです。
できれば親子で「年間収入の見込み」を共有しておきましょう。

✔ **源泉徴収票の回収を忘れずに**
複数企業での勤務がある場合、それぞれから源泉徴収票が発行されます。
アプリ経由でダウンロードできるケースもありますが、子ども任せにせず、必要に応じて親がフォローしましょう。

✔ **場合によっては確定申告の助言も**
年末調整がされていない収入があると、子ども本人が確定申告をしたほうが得な場合もあります。
その判断にも、源泉徴収票が必要です。

令和7年度改正でどう変わる?学生バイトと「扶養の壁」〜教職員の親が知っておきたい最新税制〜

「子どものバイト収入、そろそろ103万円に近づいてきていて心配…」
そんな相談を、教育現場でも耳にされたことがあるのではないでしょうか。
学生アルバイトの「年収の壁」は、これまで103万円を超えると親の扶養控除に影響するため、多くのご家庭で収入調整がされてきました。
しかし、**令和7年度の税制改正**によって、こうした「壁」が大きく変わります。
今回は、学生の子どもを持つ教職員の方へ向けて、扶養控除・所得税・社会保険など、押さえておくべきポイントを整理して解説します。

### 所得税の「壁」は103万円 → **160万円**に拡大

今回の改正で最も大きな変化は、「所得税がかかり始めるライン」が**年収103万円から160万円に引き上げ**られたことです。
これにより、これまで調整していたバイト収入が増えても、**160万円までは所得税が課されない**ということになります。

### 住民税の「壁」は**110万円**で据え置き

住民税については、従来どおり**年収110万円を超えると課税**される点は変わっていません。
ただし、住民税には引き続き「勤労学生控除」が適用できるため、所得条件を満たせば課税を免れる可能性があります。

つまり、所得税よりも**住民税の方が先に課税される**こともあるという点には要注意です。

### 社会保険の「壁」は130万円→**150万円に引き上げ(※一部対象者)**

親御さんの社会保険の扶養に入っている学生については、原則として**年収130万円**を超えると扶養を外れ、自ら社会保険料を負担する必要が生じます。

しかし、今回の改正により、**19歳〜22歳の学生に限り、令和7年10月からはこのラインが150万円に引き上げ**られます。
つまり、対象となる大学生のお子さんがいるご家庭では、より自由な働き方がしやすくなると言えるでしょう。

### 親の「扶養控除」にも新制度が登場!特定親族特別控除とは?

さらに今回の改正では、「**特定親族特別控除**」という新しい制度が創設されました。
これは、**19歳〜22歳の子を扶養している親に対して、最大63万円の所得控除を認める制度**です。

ポイントは以下のとおり:

– **給与収入150万円以下**:満額(63万円)控除
– **給与収入150万円超〜188万円以下**:段階的に控除額が減少
– **188万円を超えると控除対象外**

つまり、**子どものバイト収入が150万円までなら、従来通り満額の扶養控除が使え、188万円までは段階的な控除が残る**という柔軟な設計になっています。

### まとめ:税務の知識は“家庭の安心”につながる

今の学生たちは、柔軟な働き方を自分で選ぶ時代に生きています。
その分、家庭での税務リテラシーがますます重要になっています。
教職員として、そして親として、子どもがスムーズに社会とつながっていけるよう、税務面でのサポートも心がけていきたいですね。


クレメンティア税理士事務所
税理士/CFP®/1級FP技能士 小林 匠