
年末調整の季節になると、扶養控除や配偶者控除に関する確認が求められます。今年もまた「控除の所得要件」が見直されているのをご存知でしょうか? 特に、公的年金を受給している配偶者がいる場合には、注意が必要です。この記事では、公務員の皆さま向けに、公的年金受給者の配偶者控除等に関するポイントを分かりやすく整理しました。
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## 年末調整の定番「配偶者控除」とは?
配偶者控除・配偶者特別控除は、配偶者の所得が一定以下である場合に適用される制度です。給与所得者(=公務員)にとっては、年末調整で税額に直接影響を与えるため、実務上も見逃せません。
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## 公的年金を受け取っている配偶者のケースがややこしい理由
控除を受けられるかどうかは、「配偶者の所得金額」が基準になりますが、公的年金を受け取っている場合は一筋縄ではいきません。
なぜなら、年金収入=そのまま所得ではなく、「公的年金等控除額」を差し引いて計算するからです。しかも、控除額は年齢や収入額で細かく変動。これが、把握しづらい原因です。
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## 所得要件の最新ラインを整理
では、年金収入がいくらまでなら、各控除の対象になるのか。以下に要点をまとめます。
### ●配偶者控除の対象となる年金収入
– 65歳以上:**168万円以下**
– 65歳未満:**118万円以下**
### ●配偶者特別控除の対象となる年金収入
– 65歳以上:**243万円以下**
– 65歳未満:**214万円以下**
### ●源泉控除対象配偶者(扶養控除等申告書に記載可能)のライン
– 65歳以上:**205万円以下**
– 65歳未満:**1,633,334円以下**
※本人の所得が900万円以下であることも条件
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## 実務への影響と注意点
### 1. 「年金収入=所得」ではない
年金収入をベースにして、控除額を計算し、そこから「所得金額」を算出する必要があります。見誤ると、本来受けられた控除が受けられなかったり、逆に過大控除で後から修正が必要になることも。
### 2. 控除額は毎年見直される
表にすると一目瞭然ですが、地味に金額が動いています。前年の感覚で判断しないことが大切です。
### 3. 源泉控除対象配偶者の扱いにも注意
このラインは、住民税や保険料などにも関わるため、単なる申告書の記載以上に意味があります。
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## 公務員として知っておきたいこと
自治体職員であれば、年末調整を取りまとめる側になる方も多いはずです。配偶者が年金受給者というケースは決して少なくなく、職員自身も家族構成によって該当する可能性があります。
「控除が受けられる・受けられない」は、手取り額に直結します。正確な計算と最新の知識は、家計にも業務にもプラスになります。
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## まとめ
配偶者が年金受給者である場合の控除適用は、「年齢」「年金収入」「控除額」の3点セットで判断が必要です。
制度は毎年見直されており、今年も例外ではありません。
年末調整を機に、見直してみてはいかがでしょうか?