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公務員の方が知っておきたい「死亡保険金の税金」──相続・所得・贈与の違いを専門家が解説

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2025.11.21

公務員の方とお話していると、「死亡保険金ってどんな税金がかかるの?」「相続放棄したら受け取れなくなるの?」というご相談をよくいただきます。
実は、死亡保険金の税金は “契約者・被保険者・受取人” の組み合わせでまったく変わります。
この記事では、税理士・FPの専門家として、公務員の方が押さえるべきポイントを整理してわかりやすくお伝えします。

# 1. 死亡保険金にかかる税金は3種類
死亡保険金にかかる税金は、大きく分けて以下の3つです。

– **相続税**
– **所得税・住民税**
– **贈与税**

どれが適用されるかは、「誰が保険料を払ったか」「誰が亡くなったか」「誰が受け取るか」で決まります。

公務員の方は職務柄、家族の生活基盤を安定させるために生命保険を活用する方が多いですが、税金の区分を知らずに加入すると、受取額に差が出るケースもあります。

# 2. 最も多いケース:「契約者=被保険者」のときは相続税
よくあるのは、以下の形です。

– 契約者(保険料負担者):Aさん
– 被保険者:Aさん
– 受取人:相続人(配偶者・子など)

この場合は **相続税** が課税対象になります。

そして、公務員の方にも非常に重要なポイントが **「死亡保険金の非課税枠」** です。

## ●死亡保険金の非課税枠
相続人が死亡保険金を受け取る場合は、
**500万円 × 法定相続人の数**
までが相続税の対象から除かれます。

例えば、
配偶者+子2人(法定相続人3人)なら
→ **500万円 × 3 = 1,500万円** まで非課税。

死亡保険金は“生活保障”という性質があるため、国が特別に配慮している制度です。

# 3. 相続人以外が受け取ると非課税枠は使えない
同じ「契約者=被保険者」でも、受取人が相続人でない場合(例:兄弟や友人)は、非課税枠は使えません。

# 4. 契約者と受取人が同じ場合は「所得税+住民税」
契約者:Bさん
被保険者:Aさん
受取人:Bさん

この場合、Bさんは保険料を自分で払い、自分が受け取っているため、
→ **一時所得として課税**
されます。

課税計算は複雑ですが、一般的には思ったより税負担が軽いことも多いです。

# 5. 契約者と受取人が違う場合は「贈与税」
契約者:Bさん
被保険者:Aさん
受取人:Dさん(他人)

この場合、
→ **贈与税**
となり、相続税よりも税負担が重くなる傾向があります。

# 6. 相続放棄しても死亡保険金は受け取れる
公務員の方から特に多い質問がこれです。

– 相続放棄しても「受取人」に指定されていれば受け取れる
– ただし **非課税枠は使えない**
– 法定相続人の数を数えるときは「放棄しなかったものとする」ため人数には含まれる(制度上のテクニック)

ここを誤解して手続きする方が多く注意が必要です。

# 7. 公務員の方へ──安定的な家計管理のために
公務員の方は、収入が安定している一方で、転勤や勤務体制の特殊性から家族への備えを手厚くされるケースが多いです。

しかし、
「同じ保険でも誰が受け取るかで税負担が大きく変わる」
という点を知らずに加入している方は非常に多いです。

もし保険加入時の契約形態が不明な場合は、一度チェックするだけで節税効果や受取額の最適化につながります。

# 【まとめ】
– 死亡保険金の税金は **相続税・所得税・住民税・贈与税** のいずれか
– もっとも有利なのは **相続人が受け取る“相続税”扱い+非課税枠あり**
– 相続放棄しても受け取れるが **非課税枠は使えない**
– 契約形態の確認がもっとも大切

ご自身の家庭に最適な受取人設定になっているか、一度見直すことをおすすめします。

専門家として、公務員の方の大切なお金と未来を守るためのサポートをこれからも続けていきます。