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不動産オーナー必見|家賃は「いつ」収入になるのか?収入計上時期の基本と実務ポイント

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2026.03.11

不動産所得は「いくら」だけでなく、「いつ」計上するかが極めて重要です。
特に家賃や礼金、敷金の取扱いを誤ると、申告漏れや期ズレによる修正申告のリスクが生じます。

今回は、不動産オーナーの皆さま向けに、不動産所得の収入計上時期について、実務目線で整理します。

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■ 1.家賃・地代・共益費の計上時期
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原則は「契約ベース」です。

① 支払日が契約で定められている場合
→ その「定められた支払日」に収入計上

例:毎月末日払いと契約で定められている場合
→ 実際の入金が翌月でも、末日が属する年分の収入

② 支払日の定めがない場合
→ 実際に受け取った日

③ 「請求があったときに支払う」とされている場合
→ 請求した日

つまり、**入金日=収入日とは限らない**という点が重要です。

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■ 2.係争中の賃料の取扱い
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賃貸借契約の存否を巡る係争などがあった場合、

→ 判決や和解があった日

に、その係争期間中の賃料相当額をまとめて収入計上します。

ただし、単なる未払家賃の請求は通常のルール(契約基準)が適用されます。

トラブル物件を抱えるオーナーほど、この論点は注意が必要です。

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■ 3.礼金・権利金・更新料など一時金
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一時金のポイントは「引渡しが必要かどうか」。

・引渡しを必要とするもの
→ 引渡し日

・引渡しを必要としないもの
→ 契約の効力発生日

礼金、権利金、名義書換料、承諾料、頭金なども同様です。

「入金日基準」で処理しているケースは意外と多いので、今一度確認をおすすめします。

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■ 4.敷金・保証金は原則収入ではない
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敷金・保証金は本来「預り金」です。

したがって、受け取った時点では収入になりません。

ただし、
・償却が確定した部分
・返還不要が確定した部分

については、「返還不要が確定した日」に収入計上します。

ここも実務上のミスが多いポイントです。

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■ 5.なぜ“計上時期”が重要なのか?
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収入計上時期がズレると、

・所得税額の変動
・消費税の課税期間への影響
・金融機関提出資料との不整合
・税務調査での指摘

といった問題につながります。

特に規模拡大中のオーナー様は、利益水準が上がるほど影響も大きくなります。

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■ まとめ|不動産経営は「現金主義」ではない
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不動産所得は、原則として「権利確定ベース」で判断します。

・契約内容を確認する
・請求条件を明確にする
・一時金と預り金を区分する

この3点を押さえるだけでも、税務リスクは大きく下げられます。

不動産経営は“感覚”ではなく、“ルールに基づく管理”が重要です。

税務の整理は、経営の土台づくりでもあります。

ご自身の処理が適切か、一度棚卸しをしてみてはいかがでしょうか。