
親からの贈与について、「110万円以下なら申告しなくていい」と思っていませんか?
特に退職後や将来の相続を見据えて、贈与や資産整理を意識し始める公務員の方々にとって、**相続時精算課税**の仕組みは重要なテーマです。
今回は、大阪国税局が公表した「贈与税の誤りやすい事例」から、公務員にもありがちな“申告の落とし穴”を解説します。
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## よくある誤解:110万円以下なら申告不要?
これは半分正解、半分不正解です。
実は、**「相続時精算課税」をいつから選択しているかによって**、申告の要・不要が分かれます。
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## ケーススタディ:実際の誤りやすい事例
### ❌ 誤った取扱い
過去に相続時精算課税を適用して贈与税申告をした人が、今年100万円の贈与を受けた。
→「相続時精算課税を適用するために今年も申告が必要」と誤って判断。
### ✅ 正しい取扱い
今年の贈与額が110万円以下であれば、**相続時精算課税の申告は不要。**
(根拠:相法21の9③、措法70の3の2①)
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## では、どんなときに申告が必要なのか?
次のようなケースでは、金額の大小にかかわらず申告が必要になります:
### ✅ 初めて相続時精算課税を適用する年
→ **金額が110万円以下でも申告が必要**(=「選択届出書」の提出が必須)
### ✅ 贈与金額が110万円を超える年
→ 通常通りの贈与税申告が必要
> 相続時精算課税を“選ぶ年”だけは、110万円以下の贈与でも必ず申告+届出書が必要になります。
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## 特定贈与者が2人いる場合は?
父・母のように、贈与者が複数いるケースでは、次のようなルールが適用されます:
– **110万円の基礎控除を、贈与者ごとに按分して計算**
– 例:父から70万円、母から40万円 → 合計110万円 → それぞれの贈与割合に応じて控除額を適用
(根拠:措法70条の3の2①、措令40条の5の2)
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## 公務員世帯に多い“相続時精算課税”の選択、注意点は?
公務員の場合、以下のような背景でこの制度を選ぶケースが多く見られます:
– 定年退職を機に、生前贈与による資産整理を始める
– 親が国家・地方公務員だったため、相続財産が比較的明確
– 子どもの住宅購入資金支援を目的に、非課税枠を最大限活用したい
このような方こそ、「申告が必要なタイミング」「届出書が必要な年」などを**うっかり見落としやすい**ので注意が必要です。
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## まとめ:小さな贈与にも、大きな税務判断あり
– ✅ 相続時精算課税を“初めて”適用する年は、110万円以下でも申告+届出が必要
– ✅ 一度適用済みなら、贈与額が110万円以下の年は申告不要
– ✅ 複数の贈与者がいる場合は、控除の按分計算に注意
贈与税の申告は、「金額」だけで判断せず、「制度の適用状況」に応じて正しく対応することが求められます。
公務員として堅実に資産を守るためにも、**小さな判断ミスが大きなトラブルにつながらないよう、制度の理解を深めていきましょう。**
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