
内閣府の最新調査によると、「臓器を提供したい」と考える人は4割を超え、「家族の意思を尊重する」と答えた人は9割以上にのぼりました。
一方で、「家族の臓器提供の決断を負担に感じる」と答えた人も85%近くに達しています。
この数字の裏には、「想いを伝えることの難しさ」と「公務員としてどう向き合うか」という課題が見えてきます。
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## 公務員にとっての“いのちの選択”との向き合い方
公務員の皆さんは、日々「制度」と「人の想い」の狭間で判断を求められる場面が多いと思います。
臓器移植のテーマもまさにその一つ。個人の意思と家族の感情、法制度が交差するこの問題は、「自分ならどうするか」を問うきっかけになります。
この調査で注目すべきは、「家族の意思を尊重する」と答えた人が92%にのぼる一方で、
「家族の決断に負担を感じる」人も85%に達しているという点です。
つまり、多くの人が「尊重したいけれど、決断するのはつらい」という本音を抱えているのです。
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## 「意思表示カード」は“家族へのメッセージ”
臓器提供の意思は、運転免許証やマイナンバーカード、保険証などにも記載できます。
しかし、その「チェック」を済ませている人はまだ少数派。
実際に提供の現場では、「本人の意思が分からない」という理由で提供が見送られるケースが少なくありません。
もし、あなたが「自分の意思を伝えておきたい」と思うなら、
その意思表示は“家族への思いやりの形”とも言えます。
残された人が「本人はどう思っていたのだろう」と悩む時間を減らすことができるからです。
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## 公務員だからこそできる「意識の連鎖」
行政の現場では、健康・福祉・教育などさまざまな分野で市民と向き合います。
もし公務員一人ひとりが、自分の意思を明確に持ち、周囲に伝えることを実践できたなら――
それは社会全体の意識を変える小さな波になります。
制度を運用する側でありながら、同時に“市民の一人”として生命と向き合う。
それが、信頼される行政のあり方につながるのではないでしょうか。
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【まとめ】
臓器提供の話題は、死や家族を想う気持ちと深く結びついたセンシティブなテーマです。
だからこそ、「自分の意思をどう伝えるか」を考えることは、人生設計や家族との信頼関係にもつながります。
公務員として、そして一人の人として――
「もしものとき、どうありたいか」を話す時間を、今こそ持ってみませんか。
(参考:内閣府「移植医療に関する世論調査(令和7年7月調査)」)