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「相続していないのに相続税?」―“同じ年の贈与”で最も誤解されやすいポイント

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2026.04.07

ご家族が亡くなられた年に、直前で贈与を受けていた。
このようなケースで「相続税なのか、贈与税なのか」迷われる方は非常に多くいらっしゃいます。
特に最近は「7年以内加算」などの制度改正の影響もあり、情報が混ざって理解されている場面も増えてきました。
今回は、大阪国税局の「誤りやすい事例」をもとに、相続人の方が実務で判断を誤らないためのポイントを、できるだけシンプルに整理します。

■ まず結論:「相続していない人」は扱いが全く違う

今回の事例を一言でまとめると、

**相続していない人は、相続税のルールの対象にならない**

ここが核心です。

時系列はこうです。

・5月:父から贈与を受けた
・6月:父が死亡
・相続では財産を受け取っていない

この場合の正しい結論は、

**相続税の申告は不要
贈与税の申告が必要**

になります。

「同じ年だから相続税になる」と考えてしまうのは、非常によくある誤解です。

■ なぜこの誤解が起きやすいのか

背景には、次のルールがあります。

**亡くなる前の一定期間の贈与は、相続税に加算される**

この知識自体は正しいのですが、
重要な前提条件があります。

それは、

**「相続や遺贈で財産を取得した人」に限る**

という点です。

つまり、

・相続した人 → 加算される
・相続していない人 → 加算されない

この違いが、すべてを決めます。

税務は「時期」だけでなく、

**「立場」**

で判断されるということです。

■ 実務で本当に多い“もったいないミス”

現場では、次のような誤りが実際に起きています。

・相続していないのに相続税申告をしてしまった
・本来必要な贈与税申告をしていなかった
・結果として延滞税や加算税が発生した

特に多いのは、

**「税務署から何か言われるのが不安だから、とりあえず相続税で出しておく」**

という判断です。

お気持ちはよく分かります。
しかし税務では、

**出さなくてよい申告を出すこともリスク**

になります。

■ ただし、ここだけは必ず確認してください(例外)

次の場合は、結論が変わります。

**相続時精算課税を使っている場合**

です。

この制度を選択していると、

・相続していなくても
・同じ年の贈与であっても

最終的には

**相続税の対象**

になります。

つまり、

通常の贈与とは全く別のルールで動きます。

ここは非常に重要です。

■ 判断に迷ったときの「3つのチェックポイント」

実務では、次の3点を確認するだけで判断の方向性が見えます。

① 相続や遺贈で財産を受け取ったか
② 亡くなる前に贈与を受けていたか
③ 相続時精算課税を選択しているか

この3つです。

特に③は、

**過去に手続きしていることを忘れている**

ケースが少なくありません。

■ 最後に:相続は「思い込み」を避けるだけで損を防げる

今回のテーマは、制度としては難しくありません。
しかし、

**思い込みによる判断**

が最も損失を生みやすい分野でもあります。

相続の税務は、

・金額が大きい
・やり直しが難しい
・期限が決まっている

という特徴があります。

だからこそ、

**迷ったら早めに確認する**

これが最も確実で、結果として最も安心な選択になります。

ご自身やご家族の大切な財産を守るためにも、
「正しい前提」で判断していきましょう。