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年収の壁と社会保険料負担の関係

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2023.10.17

年収の壁とは何か

「年収の壁」とは、一定の収入水準を超えると、社会保険料の負担が急激に増える現象を指します。具体的には、年収が一定の金額を超えると、健康保険や厚生年金などの社会保険料が発生し、所得に対する負担が大きくなります。このため、手取り額でみると年収が一定の水準に達すると、収入の増加によるメリットよりも、社会保険料の増加によるデメリットの方が大きくなり、働く意欲を削ぐ要因となることがあります。年収の壁があることで、収入の上昇が鈍化する要因となるため、社会保険制度の見直しや改革が求められています。

社会保険料負担とは何か

社会保険料負担とは、労働者や事業主が社会保険制度に加入することによって支払う保険料のことを指します。社会保険制度には、健康保険、厚生年金保険、雇用保険などがあり、これらの保険料は給与や所得に対して一定の割合で課税されます。労働者の場合は給与から天引きされます。社会保険料負担は、労働者や事業主が社会保険制度の恩恵を受けるために必要な負担であり、国や地方自治体によって運営される社会保険制度の維持・運営に必要な資金を確保するための仕組みです。また、社会保険料負担は年収の壁とも関係しており、年収が一定の基準を超えると負担額が急激に増加することがあります。

年収の壁と社会保険料負担の関係

年収の壁のうち、「社会保険の壁」について記載します。税金の壁については前日のブログに記載しています。
⚫︎100万円の壁(税金の壁)
⚫︎103万の壁(税金の壁)
⚫︎106万円の壁
企業の従業員数が101人以上のところで勤務している場合(2024年10月からは、従業員数が51人以上)、年収が106万円を超えた場合は、扶養を外れて、社会保険への加入が必要になります。以前は、130万円を超えた場合に加入義務が発生しましたが、法律が改正されたことで、106万円を超えた段階で、以下の条件を満たしていれば、加入する必要があります。
週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
所定内賃金が月額8万8000円以上(年額105万6000円≒約106万円)
⚫︎130万の壁(社会保険の壁)
130万円を超えると、企業規模に関係なく社会保険の加入対象者となり、扶養から外れます。勤務先の社会保険に加入できない場合は、国民健康保険や国民年金に加入する必要があります。ただし、一時的に収入が増えたことを勤務先が証明した場合には、130万円を超えても連続2年までならば、扶養内にとどまれるようになりました。
⚫︎150万の壁(税金の壁)
⚫︎201万の壁(税金の壁)
なお、106万の壁には残業代が含まれませんが、130万の壁には残業代が含まれます。また税金の壁には支給される通勤交通費は原則含まれませんが、社会保険の壁には通勤交通費も含まれます。

まとめや考察

年収の壁と社会保険料負担の関係について考えると、年収が106万や130万の壁を超えることにより、年収の16%相当の社会保険料を個人で負担することになるため、影響が大きいくなります。年収の壁では税金と社会保険を混同してしまいがちですが、壁には「税金の壁」と「社会保険の壁」があります。「税金の壁」は手取り額に大きな影響は与えませんが、注意すべきなのは「社会保険の壁」で、個人の負担が急激に増加し手取り額が減る要因になります。